かつてCDで5Vもの出力が得られるようになって、数ボルトでマキシマムのパワーアンプにプリアンプは必要なのか?が大々的に議論された。
結局、好みで終わったように記憶している。
他方で、マランツやマッキンのヴィンテージ真空管プリアンプと、現代トランジスターパワーアンプの相性の悪さ。
プリアンプなく、CDら アッテネーター パワーアンプでは音が痩せて聞こえる、低音が薄くなるなどのクレームも起きた。
これは拙宅でも経験している。
長野オーディオ倶楽部仲間の長年の実験からはこれらはある意味真実のよう。
ならプリアンプが必要かというとそうではない。
フォノはともかくラインはこの方法で解決することが発見された。
なお、かつてCDとアンプの間にライントランスを入れることが流行ったことがある。
とげとげしいCDの音が和らいで聞きやすくなるetc
これをアッテネーターとパワーアンプの間に入れるのも一考だが、インピーダンスマッチングの悪さは解消できない。
なぜなら一次600Ω:二次600Ωの1:1トランスだからだ。
プリアンプの効能は、ハイ受けのロー送りだしと言われるように、ハイインピーダンスの上流からの機器の信号を受けて、ローインピーダンスで送り出す、インピーダンス整合機としてのメリットとされる。
これをトランスにさせるには、数十kΩの出力インピーダンスを持つCDプレーヤー DACらのラインアウトを、マッチングトランス(ライントランス ラインアウトトランス)一次 数kΩ〜数十kΩで受けて 二次 600Ω前後で送り出せば、ハイ受け ロー送りだしが実現される。
600Ω送り出しは業務用の出力インピーダンスの約束毎ですよね。
拙宅のWestern ElectricのWE49アンプのラインアウトトランスのWE127Cトランスは一次23kΩ:二次500Ω
今日完成したのがこれ
中は単純です。
このUTCのLS-55トランスは、センタータップがあって、一次3.5kΩだからWE300Bプッシュプルアンプらの出力トランスに使える。
この時代の出力トランスは業務用使用を意識して、二次には普通のスピーカー用の4Ω 8Ω 16Ωのほかに500Ωが出ている。
この後に業務用機器が接続されるパターンも意識されているトランスの500Ω巻き線を用いた。
UTCトランスのタップに抵抗が入っているのは、さらに聴きながらこの値でインピーダンス調整をして音質を最適化したものだ。
この抵抗のクオリティーがこの機器の音質を左右するので高品質なものを用いたい。
ここでは今はなきアメリカIRC社のカーボン抵抗を用いている。
比較試聴中です。
Western ElectricのWE127CがUTCに比べれば帯域は狭いものの、それを感じさせない何とも言えない音楽性があってあらためてその良さを認識した。
他方UTCは現代トランスだけに20Hz〜2万Hzまでは保証されているとおり、聴感上でもワイドレンジかつ微細表現もよく現代的だ。
どちらが上ということもなく、名だたるトランスなりの音質は確保されている。
好みなんで、パワーアンプ以下の相性 ソースとの相性 その日の気分で使い分けていこうと思っている。
日本製のトランスにはあまりハイ受け ロー送りだしのラインアウトトランスは少なかったからか、この方法が雑誌らで見かけたことは知る限りない。
是非プレーヤーと、パワーアンプはこの方法でマッチングすることもご記憶いただければ幸いです。
ログインしてコメントを確認・投稿する