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2013年05月15日07:31

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London Western Electricアンプの音質

ロンドンウエスタンは、アメリカのWestern Electricの関連会社で、イギリスの映画産業の音響部門を担ったとされています。


今のようにテレビもなく、ナチスドイツが典型ですが、アメリカでも映画が国威発揚らにも用いられた時代で、映画産業は国家産業でもあった時代のようです。


どういう経緯か知りませんが、アメリカからシアター機材を輸入すればいいものを、イギリス独自にアンプもスピーカーも開発しています。


他方でイギリスの業務用スピーカーメーカーの雄としてヴァイタボックス社 あのスピーカーのタンノイのKT88 PPの業務アンプも見たことがあります。


いつもの仲間のお宅に、自作長野オーディオクラブで知り合った方が最近購入されたLondon Western Electric 2042アンプが持ち込まれて。チョークトランスのうなりを取るため試行錯誤されていました。


トランスはコアのみならず、巻き線までほとんど剥き出しは、ドイツ クラングフィルム シーメンスらの業務用アンプら欧州独特で、アメリカではせいぜい合わせカバーが付きますよね。


今でも巨大なコアのトランスで、ヒータートランスが別も日本にはあまりないものの、欧米アンプでは不思議ではなく、音質的理由があるのかもしれません。


電源に放電管も使われた安定化電源回路が設けられているのは、仲間のカナダ ノーザンエレクトリックの同タイプも同様です。
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今や音質的メリットはないですが、当時の電圧不安定な電源事情が推測されます。


オリジナルと違うのは初段 前段のST ガラス管の6J7Gが6J7メタル管となっていること、内部の一部抵抗が、A&Bに交換されている以外はそのままのようです。
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本日、手持ちにちょうどいい、同じイギリス製 STC社 6J7Gがあるので、初段に差し替えて音質差の実験ができるかもしれません。


ハーネスは、さすがはプロ用。合理的な配線技術と、メンテナンスや保守点検がしやすい構造に、いつも配線の教科書になるものですね。


ここで基本的にモノラル6L6Gパラプッシュプルで構成が酷似しているWE118Aと比較試聴という、当時でもできない、雑誌管球王国並みの体験ができました。


フラット&ワイドレンジで、高域に艶のあるWE118Aに対して、LONDONは低域たっぷりに浪々と鳴ります。


同じ構成でもアメリカ カナダ ロンドン そうして、さらに別の仲間はオーストラリアの同構成のを持っています。
 

いずれにしても今日レベルのスピーカーも鳴らす能力が自分が産まれるより前にアメリカとイギリスで開発されていたことに驚きます。

お値段は118Aは今や200万を超え。いずれも100万は楽に超える価格だそうです。

大変貴重な経験で、自作アンプの音質や配線、部品選択の参考になります。

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