【事件1】
静かな町を歩いていた。
むこうから長身のオネエサンがやってくる。モデル歩きである。
初老のショロリアンは、こういうバヤイ、得したとは思わない。不要の審判である。いわれのない嫌疑は御免蒙りたい。
しかも、むこうから来るのは、とんでもないシロモノであった。
超みじかいマイクロミニに、ニーハイブーツ。
オマタまで見えそうなのだ。
ショロリアン、いかにせん。
画像はイメージである。しかも、この画からショートパンツを除いた格好なのである。
ん……
やや……
そうぢゃあない。
オマタが見えそうなのは当たり前。
マイクロミニに見えたのは、トップスのペプラムで、その下にヌードカラーのスキニーパンツを穿いて、で、ニーハイブーツで締めている。
スキニーパンツがカメレオン化していたのだ。
もしかして、今 流行りのコーデなのかと画像検索したが、類例は見当たらない。
このオネエサンのオリジナル トロンプ・エロイユらしい。
……………
【事件2】
静かな町を歩いていた。
ふいに、オネエサンが追い抜いていった。
当節のオネエサンは、ただでさえ背が高いのに、靴で嵩ましする。そのうえ、身長に占める脚の比率が違う。
初老の昭和枯れススキは路傍の石ドーゼンである。
オネエサンは、クリーム色の薄手のスカートを穿いている。
と、スカートが揺れると、その下に穿いているらしい黒いパンテー的なものが、透けたり、透けなかったり。
あたりは静かな町である。このたびはオネエサンとは対峙していない。しめこのウサギである。
ぢっと観察する。間違いない。オネエサンの落ち度である。透けている。ショロリアン、悪くない。
オネエサンは偉大なコンパスでどんどん去ってゆく。
ショロリアンの観察眼レンジが、マクロから広角に切り替わった。
ん……
やや……
オネエサンの穿いているのはマキシスカートであったが、裾からヘンテコなものが覗いている。
両足首に黒いもの。
そう。レギンスであった。
ブーランジェリーの正体見たり、パン屋かな。
黒く透けていたのはレギンスであった。
こういうコーデはアリらしい。
このオネエサンのはスカートが長すぎたのである。
確かに論理的にはエロくないが、倫理的にエロい感じの漂うトロンプ・エロイユであった。
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