mixiユーザー(id:809109)

2011年11月10日22:07

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「ショパン」 と 「チョピン」。

   








湯のみ 月曜日、NHKで

   「矢口真里の靴学」

を見ていて、ほう、と思った。

湯のみ このテの話に、フェミニストがからんでくると、ナンでも善悪論にもちこむ、砂を食らうような無益な論議になるのだが、今回、登場した先生は、純粋に文化人類学的に分析していた。

   …………………………

湯のみ 「あれ?」 と思ったのは、

   ヴェネツィアの高級娼婦が履いていたという
   レディーガガみたいなハイヒール

である。いや、ハイヒールというより 「高ゲタ」 と言ったほうがいいかもしんない。

湯のみ 実は、同じものが、少し前に放送された 「ふしぎ発見」 の問題になっていたのだ。

湯のみ しかし、

   「ふしぎ発見」 では “ゾッコリ” と言い、
   「矢口真里の靴学」 では “チョピン”

と言っていたのである。

湯のみ これは、ひじょうに食欲をそそるエサである。

   …………………………

湯のみ “ゾッコリ” がイタリア語、というのは、おかしくないが、

   “チョピン” はイタリア語でない可能性が高い

のだ。イタリア語の名詞は、「〜ン」 で終わらないのが普通だし、

   履き物は、複数形をとるものなので、「イ段」 の音で終わるはず

なのである。

湯のみ はたして、「靴学」 の先生が言った 「チョピン」 というのは英語だった。

   chopine [ チョˈピーン ]

である。まさに、過去のヴェネツィアで流行ったような 「高ゲタ・ハイヒール」 を指す語である。この語は、スペイン語が起源らしい。「高ゲタ・ハイヒール」 は、スペインとイタリアで流行ったのだそうだ。

   chapín [ チャˈピン ] 古スペイン語
    ↓
   chapin [ チャˈピん ] 古フランス語
    ↓
   chopine [ チョˈピーン ] 1577年の英語

   …………………………

湯のみ フシギなのは、イタリア語では 「チャピン」 とか、「チョピン」 とか言わないことだ。だからといって、“ゾッコリ” もダメなようだ。

   Zoccoli というのは、イタリア語では、単に 「木靴」 という意味

だからだ。

湯のみ いろいろ調べてみても、英語で chopine、スペイン語で chapín と呼ぶ、「高ゲタ・ハイヒール」 に対し、イタリア語では、特定の呼び名を持たないらしい。

   alti zoccoli  ※英語に置き換えると high clogs (高い木靴)

と呼んでいる。海外で、これを “ゾッコリである” と言うのは正しくない。エルマンノ・オルミの有名なイタリア映画に 『木靴の木』 があるが、原題は、

   «L'Albero degli zoccoli»
    [ ˈらーるベロ デッり ˈヅォッコり ]

である。 zoccoli が、単に 「木靴」 であることがわかろう、というもの。

   …………………………

湯のみ この件に興味がわいたのは、

   ショパン

との関係である。

湯のみ ときどき、クラシックに暗いヒトが、CDのタイトルなんぞを見て、

   フレデリック・チョピン

と言う。フランス語の綴りが Chopin だからだ。

湯のみ 残念ながら、この姓は 「木靴」 とは関係がなかった。古く、

   chopiner [ ショピˈネ ] 「激しくたたく」

という動詞があったという。現代フランス語の cogner 「コニェ」 に当たるという。

湯のみ また、 un chopin 「アン・ショパン」 は、“激しい一撃” のことだという。現代フランス語の辞典には出ていない。ちなみに、この語は、英語の chop 「たたき切る」 とは関係がない。

湯のみ そして、フランスにおいて、この Chopin 「ショパン」 というアダ名をつけられたのは、

   すぐに暴力をふるう “乱暴者”

だった、という。

   …………………………

湯のみ 「ショパン」 は、高級娼婦の高ゲタ・ハイヒールとは関係がなかったのだが、“乱暴者” のことであったらしい。

湯のみ 「ショパン」 はポーランドの国民的な尊敬を集める祖国の音楽家だが、「ショパン」 という姓、そのものはフランス語である。ハーフだからだね。

湯のみ Chopin をそのままポーランド語で読んでしまうと、「ホピン」 となってしまう。ポーランドでは、

   Szopen [ ˈしょペヌ ] 「ショペン」

という綴り相当に読む。もちろん、格変化するので、

   Chopina [ しょˈペナ ] 「ショパンの、ショパンを」
   Chopinowi [ しょペˈノヴィ ] 「ショパンに」
   Chopinu [ しょˈペヌゥ ] 「ショパンよ!」
   Chopinem [ しょˈペネム ] 「ショパンによって」
   o Chopinie [ オ しょˈピニェ ] 「ショパンについて」
   ――――――――――
   Chopinowie [ ショペˈノヴィェ ] 「ショパン一家は」

などとなるヨ。
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2011年11月12日 00:36
    フランキー堺が、着物を着て 落語の様な体裁で 国立演芸場で
    『チョピン物語』の様な口演をしていたことを、思い出しました。

    (そんなことより、22日 新宿界隈に出て来れませんか?)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2011年11月12日 06:19
    お、なんかありそうなタイトル。と思って検索するも、1974年、『星の子チョビン』 のあと枠で、フランキー堺が司会する 『霊感ヤマカン第六感』 が放送された、という話が出てくるばかり。

    22日はすんませんなぁ。まぁ、こちとら主婦みたいなもんなので、外に出るには、なにかとやっておかなければならんことが多いんですわあせあせ(飛び散る汗)

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