ホスピスに入院する女性の話、というので借りてみたら、思いっきり感動作。
心底驚いた。こんなにも軽いタッチというか日常を語るような文体で、
人生の最期を語りつくすなんて。すごい。
電車などの公共の場では絶対に読まないでください、というジャンルの小説、ひきこまれました。
海野雫が瀬戸内海のレモン島に一人でやって来るところから物語は始まる。
ホスピスと明記はされないが、そう自然にわかるような「ライオンの家」に、雫は暮らすようになる。
女主人のマドンナはメイド服を着てはいるものの、実はナース。
ほかに、美味しい食事を作ってくれるカノ姉妹(高齢の)などなど、個性豊かなキャラが雫を迎える。
だんだんと語られる雫の生い立ちは、決して幸せなものではなく、しかも年齢が・・・・
ネタばれは避けたいけれど、なんというか
人生の旅立ちを優しくもしっかりと語りあげてくれる。
読んでいくのが怖いような、
ホラーやサスペンスとは全く異なる怖さを感じつつも
人の優しさや強さ、そして生き方死に方そのものを称賛するような
軽く見えて深〜い一冊でした。すばらしかった。
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