今から、作り物前提であるテレビドラマというものにツッコミを入れますので、そういうノリが嫌いな人は読まないでくださいね
最初にお断りしときますと、同期のサクラ自体はいつも楽しく見させていただいているんですよ
ただ、一応建築士の側から見て、ツッコミたくなるところがたくさんありましたので書きますね
まず、一番気になったのは、第7話のストーリーで中心になっている、橋に問題があってサクラが葛藤する部分なんですが
ツッコミどころ満載で、どこからツッコんだら良いのか迷うのですが、そもそも国の基準を満たしているのなら、それは違法でもなんでもないわけですから、葛藤するような問題じゃないんですよね
建築で言えば、建築基準法の下に施行令があって、施行規則や省令、その他建築に関する細かいやり方が、本当に細かく決められているわけですよ
土木ももちろん同じで、国が定めた(認めた)基準こそがすべての建造物のルールですからね
建築も土木も、安全の基準というのは、かなり安全側にはみ出して設定されていますから、基準内に収まっていれば、そこには文句のつけようがないはずですよね
で、事の発端となった「地盤が思ってたよりも弱く杭をもっと深く打つべき」という話なんですが、もちろん私も土木や杭の専門家ではないですが、建築を勉強した者なら誰でもおかしな話だなと思いますよね
詳しいことは設計図をみないとなんとも言えませんが、杭には大きく分けて、支持杭と摩擦杭の二種類があって、土木に使う杭なら恐らくは支持杭になると思いますが
支持杭というのは、頑丈な岩盤に到達させて初めて重量を支えることができる杭ですから、もし予想よりも深いところに岩盤があったとしても、岩盤に到達するまで打つのが基本ですよね
ボーリング調査で、だいたいの岩盤の深さは分かってますから、調査より多少岩盤が深くても、普通は想定の範囲内として問題なく到達できるはずですよ
逆に、それをおこたって、岩盤に到達していないのに途中で杭を打つのをやめたのだとしたら、それは国の基準を満たしていないわけですから、施工不良の問題であって、国の基準を満たしているというのが嘘ということになります
つまり、嘘をついて施工不良を隠蔽していることを、サクラが暴いたのならそれはそれで理解できるんですよ
でも、ドラマの中では、国の基準は満たしているけど、100パーセント安全でないからという理由で悩んでいるんですよね
それはないですよね
だって、国の基準を無視して、100パーセントの安全を求めていたら、あらゆる建築物、土木構造物が作れなくなりますよ
そんなこと言い出したら、どんなビルにも免震構造を採用しないとならなくなります
結局のところは、ドラマを面白くするためにそういう矛盾した設定になっているわけですが、それを真面目に考察すると、なんとも納得の行かないストーリーで、釈然としないんですよね
高畑充希主演『同期のサクラ』第7話で12.2% 最高視聴率を更新
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=5872548
ログインしてコメントを確認・投稿する