mixiユーザー(id:7886422)

2019年12月13日19:32

127 view

モーツァルトのオーボエ五重奏曲は編曲の編曲だったw

昨日12/12木曜は東京出張。せっかくなので、夜は紀尾井ホールで室内楽を聴いてきました。クァルテット・エクセルシオ、吉井瑞穂(オーボエ)、景山梨乃(ハープ)の組み合わせのなかなかユニークな内容。演目は以下のようなものでした。

カプレ作曲
エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』による
ハープと弦楽四重奏のための《幻想的な物語》

ベートーヴェン作曲:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 op.74《ハープ》

モーツァルト作曲:オーボエ五重奏曲ハ短調 K.406
[ハンバート・ルカレッリ編/原曲:弦楽五重奏曲第2番]

ドビュッシー作曲:神聖な舞曲と世俗的な舞曲

オトマール・クヴィエシュ作曲
オーボエ、ハープと弦楽四重奏のための六重奏曲《フルビーン変奏曲》(日本初演)

特に私が聴いてみたかったのは、モーツァルトのオーボエ五重奏曲ハ短調 K.406。この曲はモーツァルトの弦楽五重奏曲第2番の編曲版。オーボエ+弦楽四重奏団という組み合わせで演奏されるという点では合理的です。モーツァルトの弦楽五重奏曲といえば第4番ト短調K516が極めて有名です。文芸評論家の小林秀雄が『モオツアルト』の中で、この曲を「疾走する悲しみ」と表現してましたね。私の場合、あまり第2番はそれほど強い印象がありませんでした。
昨夜、先入観なしで聴いた編曲版のオーボエ五重奏曲は編曲とは思えないイイ曲でした。ハ短調という悲劇的な調性とオーボエという楽器のマリアージュも悪くない。なりよりオーボエと弦楽四重奏との親和性がとても良く、驚きました。

欧州で活躍しているオーボエ独奏の吉井瑞穂氏は、やや音量が大きく全体のバランスを崩してしまいそうになる瞬間もありましたが、全体的には陰影がある音色はよかったと思います。彼女は一時期、水戸室内管弦楽団のオーボエ奏者宮本文昭氏が引退した後、トップで吹いていた時期がありました。最近、水戸ではフィリップ=トゥーンドルが大活躍していますので、吉井さんは水戸ではかなりご無沙汰です。

そして演奏を聴いた後、解説を読んで合点しました。
弦楽五重奏曲第2番は、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンのための管楽セレナード第12番ハ短調K388の編曲だったということです。不覚にもそのことを忘れていました。つまりセレナードの8声を弦楽5声にした。ということはオーボエ五重奏曲で演奏されるオーボエの楽譜は、K388のオーボエの楽譜とほぼ同じ内容だと推測できます。実際、弦楽五重奏曲第2番とオーボエ五重奏曲の編成は以下のように変わっているそうです。

第一ヴァイオリン→オーボエ
第一ヴァイオリン→第二ヴァイオリン
第二ヴァイオリン→第一ヴィオラ
ヴィオラ→第二ビオラ
チェロ→そのまんま

モーツァルトのオーボエ独奏曲は、オーボエ協奏曲ハ長調 K314とオーボエ四重奏曲へ長調K370が極めて有名ですが、このオーボエ五重奏曲も演奏機会が増えたらいいなぁとは思います。ただ室内楽の演奏会そのものが少ないので難しいかな。
私のクラシック音楽のCDは、実演で聴く機会のない曲が多いような気がします。たとえばモーツァルトの弦楽五重奏曲K516だけでも5〜6枚ありますが、この名曲の実演を聴いた記憶がありません(爆)いつになったら聴けるだろう…(嘆)

https://www.youtube.com/watch?v=Lh5x7e0lNro&list=RDLh5x7e0lNro&start_radio=1


6 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年12月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031