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2020年01月25日05:43

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買売春の管理について(自分用まとめ)

売春防止法では単純売春に対する罰則はない。
客と嬢が金銭を介して性交渉を行っても摘発することはできない。
一方で経営者側が嬢の勤務を管理することは「管理売春」にあたり、違法である。

しかし例えばソープランドでは実際に性交…つまり売春が行われている。
これはどういうことか?
ソープランドではドアにのぞき窓をつけたり、ドアがなくカーテンで仕切るなど、部屋を密閉できないようになっている。
これは「こんな外から見える場所で違法な行為をするはずがないので、これは自由恋愛による偶発的な性交が起こっているのである」「だからこれは管理売春ではない」という体になっているからである。
これつまり警察による御目こぼしである。
すなわちグレーゾーンである。


一般に売春は放置すれば、女性の人身売買の問題、現場での女性への暴力の問題、そして性感染症蔓延のリスク等、社会のモラルの低下・治安の悪化を増長する。
社会による管理売春のコントロールの方法は大きく3つある。

1:ひとつめは完全禁止である。
買売春を非合法としガチで取り締るやりかた。
道徳的感情に沿っているために勘違いしがちだが、これは非合理であり絶対にうまくいかない。
経済的または社会的弱者がもっとも簡単に就くことができる職業が娼婦(あるいは娼夫)であり、かつ原理的に需要が無くなることがないため、買売春を完全に違法として取り締まることは不可能に近い。
必ず地下に潜ってコントロール不能な状態になり、逆に管理が難しくなる。

2:ふたつめは行政による売春の管理である。公娼制度ともいう。
歴史的には近代公娼制はナポレオン戦争での反省(主に性病の蔓延)から売春を管理する必要性に迫られてはじまり、主に軍隊に付属する慰安婦制度として確立した。
現代ではオランダ、ドイツなどで管理売春が合法化され、行政による管理が行われている。
※フランクフルトでエロスセンターと呼ばれる売春マンションを見物したことがあるが面白かった。売春婦たちは免許を持っていてマンションの狭い個室を借りて営業している。上階にいくほどマニア度が上がるしくみ。

これが可能なのはやはりヨーロッパの連中の意識の高さ、またはタイのように緊急の必然性に迫られて…という条件が必要と思われる。
(ちなみにスウェーデンやフランス等では逆に買春を非合法とする新しい動きが広がっている。買春禁止により間接的に売春(管理売春)にも規制の効果を及ばせ、結果として買売春市場を縮小させるという理屈である)

3:みっつめは前述の方法、グレーゾーンによる管理である。
ふたつめの行政による管理売春は、社会の道徳的(あるいは宗教的)感情の抵抗により難しい場合が多い。
そこでまず、建前として管理売春を非合法とする。
しかし実際には「管理売春が行われているわけではない」という体を取って、民間業者による管理売春を黙認する。
(管理売春ではない単純売春(個人の買売春)については、取り締まる術がないということで刑事罰の規定が設けられていない)
行政は管理売春業者を泳がせるかわりに、裏では性感染症の管理、自由意思の管理、人身売買・暴力等が行われないように、行政(警察)が情報を把握し、適正に管理・指導する形をとる。
御目こぼし、グレーゾーンである。

行政による売春の管理は社会治安の維持のために必ず必要であるが、社会の道徳的感情と必ずバッティングする領域であり、グレーゾーンによる運用は社会の知恵というべきものである。



日本では三番目の方法が取られる。
しかし当然、完璧に理想的な運用が為されるわけではない。必ず抜け道は生じる。
警察と業者が癒着し、御目こぼしの代償として袖の下を受け取る、管理売春が反社会勢力の資金源になるといった負の側面が生じることを完全に無くすことはできない。
また、今回の件のような摘発はあくまで警察のさじ加減であり、それがグレーゾーンである以上、管理が必ずしも適正に行われているのかどうかをチェックすることは原理的に不可能である。
(おそらく二番目の「行政による管理売春合法化方式」であっても多かれ少なかれ同じ問題を抱えるハズであろう。なので建て前としての方法論はともかく、いずれの場合もグレーゾーンによる管理の面が補助的に必要になるハズである)


携帯電話・インターネット等の新しい通信技術により、売春を行う者は直接顧客と繋がることができるようになった。
この場合、売春を行うものは、安全面、場所の確保、顧客とのマッチング等の被管理コストを負うことなく営業することが可能になった。
その隠匿性の高さもあって個人の売春への参入障壁は非常に低くなった。
単純売春を直接取り締まる罰則規定も無いこともあり、ネットを介した売春の一般化・低年齢化が新たな問題(新たでもないが)として浮上している。
単純売春の場合、管理する者が居ないため現場でのトラブル等のリスクが高まるが、コストパフォーマンス的にみて総体的にはベネフィットが上回る状況が存在し(?)リスクが軽視されているのも問題である。
また当然これはアンダーグラウンドな管理売春を増長させることにもつながる。

これらの事態は社会的に制御不能な状態を招く可能性があるが、現時点で有効な対策は見出されていない。


■売春あっせん、容疑者19人逮捕 72億円売り上げか
(朝日新聞デジタル - 01月24日 12:04)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5947353
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