つい先日みつけた情報では、小野不由美の十二国記、長編の新作が2019年中に出るそうな。
短編集『華胥の幽夢』が久しぶりに出たなぁってのはいつだっけ?いさんで買ったものの、いまだ読んではいない。
2500枚の一稿があがったという話なので、今年中には出てくれるのだろう。楽しみだ。
十二国記というのは、ファンタジーのシリーズで、NHKでアニメにもなった。俺が読んだのは大学時代か、その少しあとか20代の頃で、夢中になった記憶がある。たしかに面白かったんだよね。
天帝という登場しない神さまみたいな存在のもと、十二の国は一人ずつ王がいる。王には麒麟がついていて、それが王のしるしとなり、その下に官僚制があって国を治めている。
王から民心が離れて、国が乱れると麒麟は死に、王は倒れて次の王の当局が求められる。それさえなければ王は不老不死で、いつまでも国を治めるのだ。
ただ悪政をする王であっても、王がいないと魑魅魍魎鵜が現れる。魑魅魍魎とか妖怪は、民を苦しめるから、王はいることが大事、って。
仕事をするようになって、感じることがあってさ。
王って、別に王様というのではなくとも、仕事をする組織では必ずいなければならないものなんじゃないか、って。
ナントカ長とか、チームにはリーダーになる人が必要で、いなかったり、いても存在感がないと、人の心には魑魅魍魎が現れるものなんだ。
仕事をするようになって、そういうことを感じて十二国記の設定の秀逸さに感心したものだった。
なんでこんな話を書いているかというと。
このところ、おキャクさんからのちょっとルールを超えてほしいという要望があったんだよね(苦笑)。
担当していたのは、一年めの新人シャインさん。
一年めってことで、ふだんから頼りないと文句をいわれていたようだ。そういう面での不満もたまっていたのだろう。
そういうことはやってませんから、といっても納得してくれない様子。
センムはそのオキャクサンと信頼関係があるので、話はできた。でも、最終的には
「上に話は通してくれているんですか?」
「わたしたちの気持ちを伝えたい」
みたいな感じになっていたそうな。
はい。上、出ます(苦笑)。
ということで、俺から電話をかけて話をした。
シャインさんたちから聞いていた、話の通じなさは感じられなかった。俺が説明したら、
「そういうことなら、そこは無理にお願いできないですね」
と、いたって常識的な反応。
ちょっと覚悟はしていたんだけど、感情的になられることもなかった(苦笑)。
話し合いは冷静に進み、向こうもこちらが提示した案で了解してくれた。
やれやれ。
そういうときに感じるのだ。
どっかで、魑魅魍魎が出ていたのだろうな、と。
自分が王なんていうつもりはないけど、どこの組織でも、判断する主体は私です、という存在は重要なんだろうな。
ファンタジーであっても(あ、これはファンタジーに対して失礼か)、秀逸な物語はそうした人間の像を浮かび上がらせてくれる。
十二国記の新作。
楽しみに待とう。
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