投資家は、この記事で、何を狙う?
■ジム・ロジャーズ「ゴーン逃亡でわかった日本人の外国人嫌い」
(AERA dot. - 01月24日 07:00)
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ジム・ロジャーズ「ゴーン逃亡でわかった日本人の外国人嫌い」 21
2020年01月24日 07:00 AERA dot.
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写真ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう (撮影/写真部・掛祥葉子)
ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう (撮影/写真部・掛祥葉子)
「世界3大投資家」の一人とされるジム・ロジャーズ氏の本誌連載「世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く」。今回は日本人の外国人嫌いについて。
【写真】逃亡したゴーン氏
* * *
日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が保釈条件に違反して海外逃亡した。ゴーン被告は、海外メディアのインタビューなどで日本の差別意識についても言及している。
ゴーン被告の行為についての善悪は別にして、私も日本人が外国人に対してとる差別的な言動にしばしばとまどうことがある。
バブル経済の崩壊後、経営破綻の一歩手前に立っていた日産を起死回生させた「日産リバイバルプラン」の発表から20年以上が経過した。出口の見えない不況の中、工場閉鎖や人員削減など、当時の日本では敬遠されていた痛みを伴う再生計画を断行し、日産を危機から救った外国人経営者を牢屋に押し込めてしまったのは、日本人の「外国人嫌い」を再認識させる出来事だ。
国連は2018年、日本には在日外国人に対する職業差別、入居差別、教育差別などがあると勧告した。労働力不足が叫ばれているにもかかわらず、移民の受け入れにあまり積極的でないのは、21世紀に入っても、外国人に対する差別意識が抜けていないからだ。
その証拠に、相変わらず外国人参政権を認めておらず、日本の有権者も、外国人を排斥する政策を掲げる政治家を選び続けてきた。
日本がどの道を進むかは日本人が判断すべきだが、歴史上の事実に耳を傾けるなら、豊かになるには移民を受け入れるしかないのは明らかだ。日本の人口が増えていた時代であれば、国内需要だけでビジネスを成功させることができたが、人口減少が進む今は違う。
「外国人に仕事が奪われる」「治安が悪くなる」など、物事がうまくいかなくなると、誰もが外国人のせいにして、移民を排斥しようとする。その結果、経済を衰退させていくのだ。
かつて、東南アジアで最も豊かな国であったビルマがその典型だ。ビルマは1962年、クーデターによって独裁的な軍事政権に支配され、88年の政変でできた軍事政権が国名をミャンマーに変えた。政府は外国人追放を命令し、国境を封鎖。アメリカの経済制裁やインフラ不足を背景に、アジア最貧国へと転落した。
これに対し、シンガポールや米国などは、頭脳明晰で教育水準が高い有能な移民を積極的に受け入れることで、経済成長に成功した。移民は国にアイデアをもたらし、活気を生み出してくれる。米国の場合、アマゾン、アップル、フェイスブックなどの新興企業の多くは、移民にルーツを持つ人物が創業している。
日本が衰退の一途をたどっている背景には、少子化や財政赤字といった根本的な問題がある。このまま放置していたら、行きつく先は破滅しかないだろう。日本には二つの選択肢しかない。「変化を受け入れる」か「消え去る」かだ。
日本政府は2019年4月から、在留資格「特定技能」を取得した外国人労働者を5年間で上限34万5千人余り受け入れる方針を示している。変化を受け入れる覚悟として少しは評価するが、移民の数が微々たる数字で、根本的な解決策にはなりえない。
それでも、私は日本の農業の将来性には魅力を感じていて、できれば、日本に農地を買いたいと本気で考えている。過疎地の農地はほとんど無料と言える安さだ。でも、問題は、自分で農地を耕すことはできないし、仕事を頼める農民もいないことだ。
もし、外国人の農民を日本の過疎地に移民させられたら素晴らしい。優秀な人をアジアから送り込みたいけど、外国人嫌いの日本では難しいだろうね。
(構成/本誌・小島清利、監修/小里博栄)
※週刊朝日 2020年1月31日号
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