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2020年01月20日00:52

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四次元の賢治 -完結編- 宮城公演 (初日 2019年9月22日)

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かなり遅くなりましたが、昨年9月22日の「四次元の賢治 - 完結編」宮城公演の感想です。

宮城県塩釜市で9月22日、23日と二日間開催されたうち、初日の公演を観に行き、ライブ前にはマイミクさんに塩釜のお寿司のおいしい店にご一緒させて頂いたり、美しい景色が広がる松島まで船でご案内して頂いたり、ライブの他にも色々と楽しませて頂きました。また翌日にはReborn Art Festivalを観に牡鹿半島まで行ったりもしました。

ライブ以外に色々体験したことについても、別途日記が書ければと思います。(釜石公演のときも、色々と立ち寄ったところがあったので、後日別途日記にしたいです)。

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「四次元の賢治」宮城公演は塩竈市杉村惇美術館という会場でした。ここは以前も、Salyuと小林武史さんで何度か公演があったり、その中には岩井俊二監督の作品上映会があったり、そういう意味でも興味のある場所でした。(http://sugimurajun.shiomo.jp/archives/392)

敷地内に石碑もあって、元々はここに小学校があったようです(鹽竈小学校発祥の地)。
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公演の感想ですが、一言でいいますと、心から感動し、心が強く動かされる体験でした。前回の釜石では主に音楽的に感じ入る面が多かったかもですが、今回は二回目という事もあって作品世界の感性的、哲学的な側面により深くはまり込みました。

自分のことは置いといて、まずは他者が幸せになることを願う気持ち、しかしながら、そのように願っても、あるものにとって幸いであることが、別の側面では災いとなってしまうこと、改めて投げかけられたように思いました。感動と共にこのように考えさせられることが、この作品の大きな力だと思います。

この度も前回と同じく、最前列という、ある意味特殊で、恵まれた場所で観れましたが、今回の方が(会場が前回より小さめというのもあるけど)役者さんとの距離が更に近く表情もとても良く見えました。前回は各役者さんの個性に意識がいきましたが、今回は何か、自分の心の持ちようも大きいと思うけど何だか共鳴というものを強く感じました。

以下、より細かい感想を。

小林さんの音楽が素晴らしいことは言うまでもないことながら(あとバックの映像もとても素晴らしかった)、各役者さんの個性が際立つステージでした。満島さんの素晴らしい演技力(歌声もとても美しい)、Salyuの、場をときおり圧倒させるような、それでいて繊細で表情豊かな表現力、ヤマグチヒロコさんの凛とした歌声の魅力、コムアイさんの奔放で開放的な雰囲気が物語の世界観に奥行きを増しているように思いました。声だけの出演者の方々も本当に適材適所で、少し気になったのが、細野さんは声だけの出演だけでなくて、実際に舞台に出ておられたのも御本人なのか?メイクが強すぎて、御本人かわからなかったです(笑)。第二部でのヤマグチヒロコさんとSalyuの掛け合いの部分は音楽的に圧巻でもあり、また劇のシーンとしても感動的で救われるような思いでした。

また開演前後のオーケストラのBGMもとても雰囲気に合っていました。宮沢賢治自身音楽を愛していたことを思い起こして聴いていました。(BGMは、どうやらブラームスの交響曲第2番だったようですが、はっきりわからず.. ツイッターで教えて頂きました)

とても素晴らしい公演だったし、WOWOWの放送(こちらは東京の公演)も観たけどこちらも素晴らしく、DVDやブルーレイなどの記録媒体として、作品として是非残して頂きたいと思いました。(また、自分が観る機会のなかった二年前の第一幕もどのようなものであったか気になっています)。

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また、Salyuの公演はこれまでも沢山行ったけど「四次元の賢治」は実に心動かされるものがありました(勿論、他にも心動かされる公演はたくさんありました。代々木ビレッジ、復活したYEN TOWN BANDと共に回ったリリィ・シュシュ、晴れ豆でのウッタギッタ、その他.. 色々思い出します)。

僕が、Salyuというアーティストに本格的に興味を抱き、ライブに行ってみたいと思ったきっかけは、2012年の秋ごろ、単純に歌が上手いということだけでなく、salyu x salyuという活動にとても興味を抱いたこと、salyu x salyuのライブDVDを実際に観たり、アルバム「photogenic」の初回限定版付属のライブDVD「minima」での美しくどこまでも届いていきそうな清らかな歌声、それにyoutubeでも時々見ていた「to U」の桜井さんとの歌声も、その動画に映る青空の美しさにも思いを寄せ、その当時何度も観ていました。

今回の公演では、自分がライブに行こうと思っていた頃に思い描いていた、Salyuのイメージをひょっとしたら(意外なことにも?)生身で初めてつかんだ経験だったかもしれません(垣間見たことは何度かあったと思いますが)。勿論その当時からの変化も色々とあったと思うし、Salyuというアーティストの多面的な側面を何年もかけて自分自身積み重ねていく数年間だったとも思います。これからも、Salyuさんの色々なステージを観るのが楽しみです。

「四次元の賢治」でのとし子は、病に苦しみ、天界に召され、最後に救いのようなものもあったかもしれません。物語には色々と考えさせられる内容があったり、この公演は、深く悲しくも、美しい物語として、自身の心に刻まれました。

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(以下は「四次元の賢治」を実際(放送もしくはライブで)観られた方向けの話になるかもしれませんが、自分が後で調べて気付いた点など。日記を読むうえでは、ここは読み飛ばして頂いても大丈夫ですが、もしご興味があれば..)

この物語で、度々出てきたキーワードで「インドラの網」というのがあって、これは宮沢賢治の童話作品にもなっているようです。

宮沢賢治 インドラの網 (青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/460_42328.html

インドラの網は、華厳経に出てくる言葉のようで、以下のサイトで「春と修羅」の序にある一文との関連について解説があって面白かったです(ある意味、ネタバレかもですが、この言葉も「四次元の賢治」の劇中に時々登場する言葉です)

「春と修羅・序」について
http://www.kenji-world.net/works/texts/jikuu10.html

「春と修羅・序」の一文とは

すべてがわたくしの中のみんなであるように
みんなのおのおののなかのすべてですから

といった、なんだか、謎かけのような、不思議な言葉です。上記のリンク先では、この言葉を「インドラの網」とからめて解説しているようで、興味深かったです。

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改めて
「四次元の賢治 - 完結編」
原案、脚本、音楽、キャストなど

(原案) 宮沢賢治
(脚本) 中沢新一
(音楽) 小林武史

(出演) 満島真之介、Salyu、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、ヤマグチヒロコ
(声の出演) 太田光(爆笑問題)、櫻井和寿、青葉市子
(ナレーション) 安藤裕子
(友情出演) 細野晴臣
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