マイミクの綾華☆☆様のコミュニティにおけるリレーエピソード『から騒ぎの感謝祭』に更新がありましたのでお知らせいたします。
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「ZERO Another BALLAD」
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EXリレーエピソード『から騒ぎの感謝祭』
綾華☆☆
takeー28
february 12 PM01:00
静まりかえった体育館に、主審の声が響く
「エト・ヴ・プレ?」
対峙する両者が答える。
「ウィ!」
その返事に、主審が叫ぶ。
「アレ!」試合開始だ!
日本ではマイナーな競技ではあるが、世界では人気の高い競技である。それに加え今回はオリンピックや世界大会でのメダリストが揃う大会。その決勝の舞台に勝ち上がってきた無敗のチャンピオンと無名の若き日本人!
ウミの隣に座る大男、前回オリンピック金メダリストのヨーゼフ・リッケンバッカーも、テラの直ぐ前に座っているロナルド・ホフマンも、ピストの上で戦う両者に、思わず身を乗り出している。
フェンシングの試合は普通、呆気ないほど一瞬で決着がつく。だがソラもムッシュも、攻撃権を取っても取っても相手にかわされ、ピンチになったりチャンスになったりだ。
「……既に8分。まさに一歩も譲らずですね」
「両者よく持ちこたえている。だが次の一撃が決着だろう。どちらも気力もスタミナもストレスも、臨界点に達しているな」
市役所の18階の市長室で、大型テレビの中継に見入る筆頭秘書と市長は互いに頷く。
ソラもムッシュも既に肩で息をしている。ソラと共にいるゼロですら、息をのむばかりの応酬だ。
……ソラ、いつの間に、こんなに強くなったんだ。
そしてゼロは悟った、次の一撃で勝敗が決まると。
限界を越えた限界の両者が一足ずつ下がった瞬間、互いに放つ最後の一撃、貰った!
相棒の勝利を確信したゼロ! が、
……何だと!?
ソラの攻撃を紙一重でかわす姿の残像が残るゼロの目が捉えたのは、相棒の左脇腹に正確にヒットしたムッシュのフルーレの先端!
勝負あり! 主審がコールするルージュ、アンリ・ド・クレマンの名!
両者敬礼をしてフェイスガードを外し、ピストのセンターで握手をする間も、壮絶な戦いに息をのんだ観衆からは声一つ上がらない。
ようやくヨーゼフ・リッケンバッカーやロナルド・ホフマン、ハンス・ヨンソンらがまず立ち上がり、惜しまぬ拍手で激闘を戦い抜いた両者を讃える。ウミやテラ達も立ち上がり、やがて万雷の拍手が場内を包む!
そんな中ゼロは思い出す。かつて実戦形式の訓練で、向かうところ敵ナシだった己の鼻っ柱をへし折られたことを。
その時自分を完膚なきまでに叩きのめし、セブンはいった。
「素人の喧嘩と戦士の戦いを一緒にするな!」
まだ父と知らなかった歴戦の勇者の言葉は、重かった。
……オレに比べりゃ、ソラは謙虚なモンだな。
互角の二人を分けたのは経験の差。それを素直に認め、勝者を讃えている。
リレーその29 →
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← リレーその27
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