余裕がないのがいけない。

あらかじめ書いておくと、性善説とか性悪説とか、そんなものを語る気はないし、生命のことわりを勝手に善悪の概念でどうこうしようとも思わない。
とにかく、自分のことしか考えられない人が目につく世の中だ。
目的のために他人を踏み台にするのを肯定はしないが、それは生き残る手段の範疇だ。
本当に情けないのは、他人に対して、ただの腹いせでいわれのない不快感や、時には生命の危機すら与える行為。
電車でベビーカーに舌打ち。
ヘルプマークを見て見ぬふりどころか言いがかり。
自分が客の立場での横柄な態度。
些細なきっかけであおり運転。
ネットでの誹謗、中傷。
パワーハラスメント…
挙げればキリがない。
どれも極めて陰湿で、根本的な間違いを本人もわかってやっている。
病的状態や性格の偏り、しつけの失敗もあるがごく一部。
みんな根っこではわかっている。
わかっていて、どうしてやるのか。
簡単なことだ。
余裕がないから。
だから、他人にまで気が回らない。
優しくなんてできない。
勢い余って攻撃にまで発展する。
こうなると畜生以下。
高度な社会や文明を形成する動物とは、とてもじゃないが言えない。
未熟で傲慢。
いわゆるデキた人ももちろんいるし、ほとんどは普通の人。
正規分布。
でもね、その「普通の人」が、上に書いたようなことをするんだよ。
社会が悪いのか、人間が悪いのか。
少なくとも、社会をつくるのは人間だ。