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2021年10月24日00:34

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ハイティンクの訃報に接し思い出したこと

 2021年10月21日、世界的名指揮者ベルナルト・ハイティンクが92歳で亡くなりました。19年に現役からの引退を発表、同年ルツェルン音楽祭でウィーン・フィルを指揮し、ブルックナーの交響曲第7番他を演奏したのが最後の演奏会となりました。この公演はNHKBSで放送され、彼らしい奇をてらわない温かみのある演奏を聴かせてくれました。

 ハイティンクの演奏は時として微温的で特徴の無いものという評価が日本ではあったように思いますが、それが全く的外れであることは、90歳まで現役で世界の一流オーケストラを指揮し続けたことが証明しているでしょう。

 彼が初来日したのは1962年のことですが、オイゲン・ヨッフムと共にアムステルダム・コンセルトヘボー管弦楽団を指揮し東京と大阪で演奏会を持ちました。その東京公演を5月1日上野の東京文化会館で聴きました。演奏されたのはベルリオーズの序曲『ローマの謝肉祭』とメンデルスゾーンの交響曲第4番『イタリア』他。他というのは後何が演奏されたか憶えていないのです。何せまだ16歳のクラシック聴きルーキーでしたから。一番記憶に鮮明なのは「若いのに結構禿げてるなぁ」ということです。

 当時、日本ではハイティンクの名は殆ど知られていなくて、批評家も「若い指揮者だから後見人としてヨッフムが付いてきたのだ」などと真面目に論評していたくらいです。

 16歳では演奏の上手い下手など理解できませんが、あの立派(だったはず)なオーケストラの音が当たり前の音として刷り込まれてしまいました。生のオーケストラを聴くのは2回目で、1回目はバーンスタインとニューヨーク・フィルだったのがいけなかった。
 以来、生意気なクラシック若造は、日本のオーケストラはなんて下手なんだと思うようになってしまいました。でも今は日本のオーケストラは世界で通用する立派なものと考えています。…念のため。

 ハイティンクの訃報に接し大昔のことを思い出しました。あらためてご冥福をお祈りします。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/7a92199a889ef6f59385a882d760a35aa32d0c90

 
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