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2015年02月28日15:20

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IMSに込めた思い

今更ですがちょっとだけ語ります。

IMSっと言ってもそれなりのマニアにしか通じないし、それが意味する所がなんなのか、なんて本当に一握りの人にしかわからないと思いますが。


IMSはFSSと言う極めてコアでマニアックな漫画に登場するロボットをインジェクションプラスチックモデルで再現しようとしたシリーズですが、決して
「本物」
を再現するなんていうおこがましく、愚かしい構想・意図はこれっぽっちもありません。

漫画のキャラクターであり、現実に存在しないものを作者でない者が「本物」だなんて語るなんて、本当に図々しく傲慢で厚顔無恥の最たるものだと思います。
まともな神経をしてて、その作品をリスペクトしてる人間には絶対に出来ない事です。

同人作家が自分の描いた二次創作エロ漫画を「本物」とか言っちゃってるレベルで、ちゃんチャラおかしいと言うか人格が破綻しています。



私がIMSに対して思う事は、所詮劣化HSGKであると言う事で、金型と言う極めて規制の多い工業製品には、ガレージキットと言う造形師が魂を込めて作った原型を50%も再現出来ないと思ってます。

それでもインジェクション化したと言うのは、ガレージキットでしか存在しないその作品のロボット造形に少しでも多くの人が触れる機会を作って、もっと末永くモーターヘッドの立体物を商品として残したかったと言う思いがあったからです。


かと言って私はガレージキットからプラモデルに敷居が下がったからと言って「誰でも彼でも作れる」とか「誰が作っても同じになる」と言うプラモデルにはしたくありませんでした。

なぜなら、作者の言う「ある程度の努力やリスクを負って初めて手にできるものこそ価値があり、人を感動させる。」と言う言葉に共感しているからです。


顧客希望的にはバンダイのガンプラが最大公約数的なプラモデルであり、そうする為にあえてヘビーユーザーが望まない手法すらとるガンプラこそが正解。

それはわかってましたが、やはりそれでは「モーターヘッドが持つ価値がなくなる」と思わざるをえませんでした。




なのでIMSは
「モデラーとして基本がちゃんとできてる人が、それなりの工程を踏めばめちゃくちゃ良いモノが出来上がるけど、模型を作ったことが無い、またはちょっとかじっただけの人間がネットで聞きかじっただけの知識で作ってもどうにもならなず、まともなモノには仕上がらない」
と言う様な設計をしたつもりです。

逆を言えば「初めて作ってちゃんと出来上がらなくても、経験を積んで何度かチャレンジをするといずれ凄いモノが出来上がる」
と言う訳です。

・・・何をそんなまどろっこしい事を・・・と思うかも知れませんが、ちょっと思い返せば模型は最初からすべからくそうだった筈。

初めて買った300円のガンダムを、いきなり完成見本通りに作れた人間はいなかった筈。

何度も何度も繰り返しチャレンジすることで技術を磨き、センスを磨き、そうやって模型はうまくなっていくもんです。
模型は自分の成長の証しを具現化できる趣味でもあります。

何もかもが押しつけで、誰が作っても同じになるのは「模型」ではなく「ブロック玩具」ですよね。

そんな訳でこのシリーズは「模型を作る」と言う根本に立ち返り、ちゃんと作るには何が必要で何をしなければいけないのか・・・と言う事をモデラーに求めると言うコンセプトを設定していました。

修練に修練を重ねてようやくキレイに完成したIMSを前にぜひ自分がたどった足跡に達成感を味わって欲しいですね。


そんなコンセプトを内包したIMSシリーズも、この間発売したテロルミラージュで最後になりました。

以降はもともと計画されていたラインナップをFSSを知らない人達が捻じ曲げたシリーズなので、それがヴァイオラだろうとKOGだろうと似非「本物」がコンセプトの良くわからないモノになると思います。

プロデューサーたる人間が本当の「意図」を語れない商品ってのはかくもみじめな終わり方をするモノですね。





ちなみに1/144も私の企画でしたが、あれは心底やりたくなくってしょうがなかったシリーズです。

そもそもが1/100のCADデータを縮めれば違うシリーズで展開できると言う同社が出してるSWSとか言う飛行機と全く同じ、軽薄な発想に端を発して生まれたモノなので、見るのも嫌なぐらいです。







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