最近、ちょっとよかった映画。
「鈴木家の嘘」
予告編を見た時、コメディ映画かと思った。
確かに最初の方はコメディっぽい。
でも、加瀬亮が首をくくってぶさがっているのは、はっきりと写し出されている。
淡々と、さりげなく。。。
昼食を呼びに行った母親の原日出子が加瀬亮の死体を目にした後、倒れて、夕方、それを家に帰ってきた木竜麻生が見つける。
次は病院で眠っている原日出子のカットになる。
病室にいた岸辺一徳が病院の洗濯機に洗濯物を入れてまわそうとしたら、洗剤と柔軟剤を間違えていると看護師に指摘される。
次のカットは岸辺が風俗店を訪れる。
語りが説明的でないのに、ポンポン飛んで、その中で的確に状況を語っている。
親戚が集まったそば屋の場面は、長回しのカットで見せていて、実に気持ちがいい。
そのうち、コメディぽさがなくなり、自殺した加瀬の妹である木竜の想いがわかってくる。アルゼンチンに行ったことにしたのも、ちゃんと理由があった。
木竜は長回しにもこたえて、演技も達者。忙しい時期に公開されていたため、見逃した「菊とギロチン」でも主演していた女優。新体操も披露している。
監督は、橋口亮輔、横浜聡子、石井裕也などの助監督をつとめた野尻克己。本作がデビュー作。脚本も担当。
あたたかい気持ちになる。
監督と木竜の対談がシネフィルのサイトに掲載されていた。
http://cinefil.tokyo/_ct/17227934
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