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2021年06月15日22:57

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【展覧会】クールベと海展(パナソニック汐留美術館)

クールベの風景画からは、岩の重量感や質感、水の冷たさや透明感、風の勢いはもちろん、温度や湿度も伝わってくる。草木や野生動物などの命あるものだけでなく、岩や水、普通の人々の家にも大きな存在感があり、ただそこに在るということがこんなにも崇高なのかと思う。特に水の描写が秀逸で、波の泡立ちや湖面のきらめきは写真のようだと感じた。
だが、心が動かない。すごいと思うのに、感動しない。なぜだろう?

家に帰って、古い画集を引っ張り出した。この本にはクールベのほか、ターナーや、コロー、ミレーなどの作品も載っている。ターナーからクールベに至る風景画を順番に眺めて、ふと気付いた。
私はクールベが苦手なのかもしれない。
クールベの作品は「厳然」「冷徹」という言葉が似合う。そこが魅力である反面、威圧的で価値観を押し付けてくる印象もある。

好きではないものが好きになるのか苦手なままなのか、自分の今後の経験次第で考え方や感じ方が変わる可能性はある。何年か後にクールベの絵を見たときに私は何を思うのだろうか。
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