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2021年02月27日22:34

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【展覧会】コンスタブル展(三菱一号館美術館)

春めいてくると、外に出たくなってくる。そんなタイミングで開催されたコンスタブル展。コロナ禍で海外旅行が難しい中、ヨーロッパの田舎の風景に癒されることを期待して美術館へ。

木々のざわめき、小川のせせらぎ、野良仕事の音、土埃。風景画は素直にそのまま楽しめる。考えずに見ていられるから、頭も休まるような気がする。
でも、どの作品も同じように見えてしまい、何となく飽きてくる。お城や教会などのランドマーク的な建造物に馴染みがないからというのが一番の理由だろう。自分自身に実体験があるかどうかで、作品に対する思い入れや、作品から受ける懐かしさが変わってくるのだということを、今回の展覧会で痛感した。

郊外で育った私にとって雑木林や川が流れる風景に違和感はないが、私が知っている景色はコンスタブルが描いた当時の風景と比べるとやはりどうしても人工的だ。特に川は。だから、展覧会のチラシの表面を飾る「フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)」などの田園風景を描いた絵を見たときに、絵としてステキだと感じても、それ以上の感情が湧いてこない。
ところが、海の絵は、例えば「チェーン桟橋、ブライトン」では砂浜の感触や潮の香りをはっきりと感じ取れるし、「ブライトン近くの海」で描かれる空と海だけのシンプルさに妙に納得できたりするのだ。しかもそれだけではなく、海の開放感と、開放的すぎるが故の漠然とした不安まで想起されたりする。
父の実家は大きな湖の近くで、母の実家は海辺だった。小さい頃の私は、年に数度しか見ないがために、湖や海が怖かったのだろうなぁ・・・と思いながら、美術館をあとにした。
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