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2019年12月15日16:03

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【展覧会】ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年展(国立新美術館)

ハンガリーのブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーが所蔵する130点が並ぶ展覧会。「ルネサンスから18世紀まで」と「19世紀・20世紀初頭」の2部構成だ。
第1部の「ルネサンスから18世紀まで」は、かなり一般的な西洋美術の展覧会の様相ではあるが、特徴をつかみやすい作品が多く、各ジャンルの雰囲気をコンパクトに体感できた。
印象的だったのは以下の3点。

ヘンドリック・ブルーマールト「本を読む老人」:
しわっぽいところや、少したるんだところなどの肌の質感がものすごくリアル。

ヤン・ファン・ハイスム「果物のある静物」:
さらりと描いたモノクロームの作品。ぼってりした量感で温かみがあり、伊藤若冲の野菜の涅槃図に似ていると思った。

フランソワ・ド・ノメ「架空のゴシック教会の内部」:
あまりに緻密で壮麗で、逆に不気味(笑)。


第2部「19世紀・20世紀初頭」にはハンガリーの画家を中心とした作品が並ぶ。彼らは西欧で修業をしているが、作品はパリや南仏、ローマではなく、ウィーン風。ハンガリーはトルコやロシアに近くて様々な混交があったからだろうか、地味ながらも複雑な表現方法を模索する作品が多いように感じられた。
興味深かった作品は以下のとおり。

ムンカーチ・ミハーイ「フランツ・リストの肖像」:
今回の展覧会で一番見たいと思っていた作品。亡くなる4か月前、リストの最後の肖像だ。指がとても長い。この指から超絶技巧が繰り出されたのか・・・。

シニェイ・メルシェ・パール「気球」:
ほのぼのしていながら、どことなくシュールで不穏。気球に乗っている人が手にしている白いものが気になった。ハトだろうか?これから飛ばすのか?それとも捕まえて食料にしてしまうのか?

リップル=ローナイ・ヨージェフ「赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん」:
ワイングラスとデキャンタは写実的な静物画、手前の人物は思索的な性格を描き出している見事な肖像画、奥の人物はかわいらしくてマンガチック。1枚で3度楽しめる。

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