BESETZUNG
Musikalische Leitung
Markus Stenz
Inszenierung
Graham Vick
Bühne, Kostüme
Stuart Nunn
Licht
Wolfgang Göbbel
Choreografie
Ron Howell
Chöre
Jeremy Bines
Gustav von Aschenbach
Ian Bostridge
Der Reisende / Der ältliche Geck / Der alte Gondoliere / Der Hotelmanager / Der Coiffeur des Hauses / Der Anführer der Straßensänger / Die Stimme des Dionysos
Seth Carico
Apollo
Tai Oney
Erdbeerverkäuferin
Alexandra Hutton
Russische Mutter / Spitzenverkäuferin
Flurina Stucki
Französisches Mädchen / Zeitungsverkäuferin
Meechot Marrero
Dänische Frau / Straßensängerin
Samantha Britt
Englische Frau
Joanna Foote
Hotelgast
Karis Tucker
Französische Mutter
Michelle Daly
Deutsche Mutter
Irene Roberts
Russisches Kindermädchen
Anna Buslidze
Bettlerin
Davia Bouley
Hotelportier
Andrew Dickinson
Hotelgäste
Helen Huang
Ya-Chung Huang
Stephen Barchi
Patrick Guetti
Anna Huntley
1. Amerikaner
Michael Kim
Glasbläser / Hotelgast
Gideon Poppe
Gondoliere / Straßensänger
Marwan Shamiyeh
2. Amerikaner / Gondoliere / Hotelgast
Matthew Peña
Polnischer Vater / Clerk im Reisebüro
Samuel Dale Johnson
Lido Bootsmann / Kellner
Timothy Newton
Steward / Deutscher Vater / Fremdenführer
Padraic Rowan
Russischer Vater / Priester
Matthew Cossack
Gondoliere
Philipp Jekal
Tadzio
Rauand Taleb
Jaschiu
Anthony Paul
Die Jungen
Joshua Edelsbacher
David Lehmann
Alexander Leopold Schank
Per Kreutzberger
Alexander Gaida
Maximilian Braun
Die polnische Mutter
Lena Natus
Ihre Töchter
Ebru Dilber
Mimi Nowatzki
Die Erzieherin
Anne Römeth
Mädchen
Selina Senti
Chöre
Chor der Deutschen Oper Berlin
Orchester
Orchester der Deutschen Oper Berlin
本当は木金とミュンヘン出張の予定だったのだが、木曜昼から金曜昼までやることない、一昨年昨年といろいろ仕事作ってみたがあまりミュンヘンでは得るものはないと感じた、それなら木曜午後オフィスに戻って仕事したい、出張旅費もどうせ変わらない、と主張し(これは仕事の面からも本気でそう思ったわけだが)、結局皆が失笑する木金2日連続での日帰りミュンヘン出張に。
qそうまでして木曜夜ベルリン滞在を確保し、2009年以来(記憶を頼りに探していくと見つかるのが、日記の効用…)ようやく2回目の実演。ちなみにヴェニスは好きな歌劇ベスト10には入る超重要演目。ミュンヘンでFWMが放送響とシュトラウスを振るのは知っていたが、個人的には選択の余地はなし。
…ということで、ちょっと鼻息が荒すぎ、期待値が高すぎだったかもしれない。10年ぶりのこの最高級の傑作の舞台上演を堪能できたこと自体は大きく、それだけで満足だが、公演自体はどうも。
ボストリッジは、やはり自分は本質的には合わないのかもしれない。テクニック、演技、表現、どれをとっても問題ないのだが、総合的な感興はそれほどでもなし。マクロ的な、即ち、精神的(作家としての創作意欲の行き詰まり)にも肉体的(老い)にも閉塞感に苛まれるプライドの高い男が若さ・美というもはや永遠に得られないものに遭遇し、社会的に受け入れられ得ない闇(病み、と作曲家本人は思っていたかもしれない)も抱えつつ、人生最後の道を転落していくという、ブリテンの私小説的作品ではあるかもしれないが一方で極めて普遍的な(時代・文化・嗜好を超えて共通する)テーマに取り組んでいる、という側面にはしっかりと食い込めていたかは疑問。乱暴に一言で言えば一本調子だったのかも。
アッシェンバッハと同じくらい重要で、同じくらい難しい1人7役のカリコは、いい声は出していたしちゃんと歌い切っていたが、一方で7役をちゃんと歌い分けきっていたか、ちゃんとアッシェンバッハをあの手この手で転落に導く7人のメフィストを描けていたかというと、その域には達せず。
シュテンツの指揮は、しっかりまとめていたことは他とするが、いつぞやのN響とのマラ2でも感じた融通の利かなさ、固さがこの作品ではまずかったか。じめっとしたエロス、若さという(それを失った身からは)永遠に手の届かない神秘、そういう表現を彼に期待するのはそもそも無理なのか。
演出は、一人の人格の崩壊のプロセス、少年の神秘性/不可侵性、こういったものが描けていたかと言うと、否かと。死んだのはアッシェンバッハではなく少年ということ?それは構成としてはありかもしれないが、この舞台ではそれを全く説得的に示せていない。それなら少年の置かれた状況と老人の置かれた状況をパラレルに示さなくては。伏線を欠いている。
…と、考えれば考えるほどこの作品は難しい。こんな要求、実演で満たせるのか?と思ったが、10年前の日記を見ると(09/5/5)、少なくともアラサーの自分はハンブルクでの公演に全て満足していた模様。マイベスト10の中では、烙印や死の家からと並んで上演頻度が極めて低い作品なので、自分としてもどんな公演であろうと良いところを見つけて満足したいと真剣に思ってるのだが…
ログインしてコメントを確認・投稿する