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2019年12月16日00:36

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「組曲虐殺」(御園座)12/1

何度目かの再演の作品ですが、やっと名古屋に来てくれて初観劇。
井上ひさし作品もなんだか久しぶりですが、戦争の時代の重いテーマを、重くなりすぎずにユーモアを交えて描きつつ、刺さる言葉が随所にちりばめられていて、最後にはずっしりとしたものを突き付けてくるような。やっぱり全体的には重たい。そういう時代ですものね。それを今の時代にやる意味とか、色々考えさせられます。

小林多喜二、拷問死という壮絶な最期ですが、日常的な日々を描きつつ、でも次第に追い詰められていく生活でも、志を曲げずにまっすぐに生きる姿が清々しかったです。しかしこの上演時間三時間、多喜二が拷問を受けた時間も三時間、っていうところのリンクがやけに生々しい。井上芳雄さんはグランドミュージカルで派手に歌い上げるイメージのキャラクターで見ることが多かったので、こういう役柄で見るのがなんだか新鮮でした。歌声はやっぱり素晴らしくて聞き惚れます。

瀧子の上白石萌音ちゃん、ひたむきに多喜二を想う姿がいじらしい。時代が時代だけに、そばにいても何もしてあげられない哀しさ。歌声もとってもきれいで素敵でした。
同志のような存在の妻ふじ子の神野三鈴さんがとても対照的に多喜二を愛する二人、支え方がそれぞれ違っているのもとても印象的でした。
姉の高畑淳子さんがまたキャラが強烈で(笑)それもいいアクセントって感じ。

カーテンコール。大千穐楽にして、今日は多喜二の誕生日、ということで、芳雄さんが天に向かって「多喜二さーん!」って呼びかけていたのが印象的。そして最後にみんなで「胸の映写機」を歌いました。カタカタカタ♪ってみんなで歌ったことが、それぞれの胸の映写機に刻まれたような。そんなあたたかいカーテンコールでした。

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