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2019年12月16日00:26

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「ラヴズ・レイバーズ・ロスト」(愛知県芸術劇場)11/15-16

名古屋は二日間2公演。そして各地を回ってきた大千穐楽の地。その2公演を観劇。
シェイクスピアの「恋の骨折り損」をベースに現代っぽい舞台にしたミュージカル。もともとは野外で無料で上演されてた作品だそうで、そういうおまつり感覚を開演前から演出してくれるのが面白かったです。開演前、コスタードの遠山裕介さんがひたすらハイテンションで盛り上げてくれて、客席とのコール&レスポンスも、名古屋はもう最終地だからお客さんも心得てて異様に盛り上がる。役柄がバーテンだから、クリエでは飲み物売ってたみたいですが、地方公演は客席内飲食禁止も多いのでパンフレット売り歩いてたり。そうやって上手に客席をあっためてくれて、参加型だから声を出して盛り上がる!っていう空気を自然と作っている感じでした。だから、まるでライブか何かみたいにずっと賑やかな雰囲気で楽しかったです。
物語は、シェイクスピアっぽい装飾的で言葉遊び的な台詞回しなんかも盛り交ぜつつ、基本的にはただひたすらにわかりやすく。手紙の取り違えなんていかにもシェイクスピアっぽいって思ったし、突然の劇中劇的なものもやっぱりシェイクスピアだな、って感じだし、そういう「らしさ」っていうのがちょっとずつ分かるのは、蜷川シェイクスピアを何本か見ていて、全部は理解しきれないなりにも観劇したことが自分の中にはちゃんと蓄積されてるんだな、ってふと思ったりもして。そういえば「恋の骨折り損」も蜷川オールメールで見たよね、自分。あのときは国王陛下が北村一輝さんで、ビローンが高橋洋さんでした。

物語は、国王陛下が学業に専念するために恋愛禁止を宣言して、御学友の三人もそれにならうハメになるけれど、フランス王女がやってきて、最初の誓いもどこへやら(笑)。もう、男子ってなんてバカ!(笑)って感じなんだけど、なんだか憎めない四人組って感じ。一方の女子たちも気の強い人たちが揃ってて、男子をやりこめてやる、って感じなんだけど、最終的には口説かれちゃうんですよねえ。
村井良大くんのビローンは、わりと世間を斜に見ている感じで恋愛もどっか冷めたように見ているかと思いきや、最後にロザラインを口説くときのいきなりの本気モードとのギャップになんだかどっきりでした。キスシーンも美しかったなあ。そうやっていろんな表情を細やかに見せつつ、歌声もクリアにのびのびと響くのがとても心地良くて、ああ、やっぱり村井くんの歌声、いいなあ、としみじみ聞き入りました。芸術劇場って音響良いから一層響くんですよね。そのかわり、滑舌によっては響きすぎちゃって聞き取れない人もあったりしますけど(笑)。村井くんってほんと言葉がすうっと耳に入ってくる感じで、そういうところも好きだったりします。
三浦涼介くんの国王陛下は、ビジュアルがうるわしい。ソネットで客席からひとりステージ上へ連れ出してその人に向かって歌うっていうなかなかに大変なミッションが課せられていましたが、初日は男性を連れて行ったのが可笑しかったです。
御学友たちとは別枠で、もうひとり物語に大きく絡んでくるのが大山真志くんのアーマード。これがまだキャラが強烈すぎて、出てるとき常に笑わされるくらいのいきおい。登場から入浴シーンなのでほぼ裸(笑)。そして、歌声はものすごくよく響く美声なんですけど、歌っている歌詞の内容がひどすぎる(笑)。でも、これ歌が上手い人がやるから笑いになるんであって、一歩間違うとただのセクハラ(笑)。そのへんの匙加減はさすがだなと思いました。
女性陣は、ロザラインの沙央くらまさんのちょっと冷めたような雰囲気がビローンとぶつかりながらもお似合いな感じで良いカップルでした。フランス王女の中別府さんの歌声がキュートで華やかな感じが印象的。

大千穐楽ということで、カーテンコールはキャストひとりずつのご挨拶。キャストのみなさんが、お客様が入って初めて完成した、と言っていたのが印象的でした。最後に村井くんが挨拶しているときに、後ろで三浦くんが泣いてて、村井くんが「ハンカチ、いる?」「いる!」ってやってたのが面白かったです。隣で中別府さんがめっちゃうけてた(笑)。そんなカンパニーのあったかい雰囲気の垣間見える素敵なカーテンコールでした。

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