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2020年06月30日23:03

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「あなたがスチームパンクだと思うものがスチームパンクだ」

 とルルブにも書いてあるスチームパンカーズ。まぁそれでゲームするうえでは特に不都合もないんですけど、これがサイバーパンクってことになるとちょいと話は変わってきます。とりあえず蒸気を噴いて歯車ガタガタしてれば何とかなるわけじゃないので。
 これ何が難しいのかというと、結局サイパンのイメージがどんどん変遷してるから、もうひとつは昔サイパンだったものが他のジャンルに流出してるから。その結果として「蒸気と歯車」みたいな最低限のベースになる部分さえ共通化できなくなっちゃってるんですよね。

 例えば昔のサイパンといえばネットダイブ。ゲームみたいな世界に入り込むやつ(※1)なんですけど、いまゲームみたいな世界に入り込むのってジャンルとしてはファンタジーなわけじゃないですか。ブレードランナーみたいな終末感のある街はディストピアSFみたいな大きなジャンルにふくらんでいる(※2)し、いまや日本を代表するサイパン作品である攻殻もマルドゥックもサイコパスも、描かれる街並み自体はむしろ小綺麗で行き届いたサービスがある世界として描かれている(※3)わけです。他のジャンルにサイパン要素を供出し続けた結果として、もはや「サイバーパンクでないとできない何か」ってなんだよってことになったですね。

※1 とはいえ、SAOなんかはある意味では最先端のサイバーパンク小説といえるかも。結果としては。
※2 むしろ、サイパンではなかったディックの作品であるブレランを取り込んだ時点でこうなる必然だったかもしんない。
※3 昔はそういうサービスって金払って受けるものだったけど、最近のだと普通に行政がやってる。いわゆるポストサイバーパンクだったものが今やサイパンそのものになってる。

 んでまー、こういうサイパン論がゲームにどう影響してるかが端的に表れてるのが「トーキョーN◎VA」「トーキョーナイトメア」ってわけで、つまり、昔のサイパン観で世界設定作ってたN◎VAがいまのサイパンから外れた(※4)のでそこを修正したのがナイトメア。まぁ私の見た感じ(※5)だとそういうことになります。

※4 別にN◎VAがつまんないって話をしたいんじゃないんで気をつけてね。つまるところ、いまのN◎VAはもっと広い意味の近未来SFなんですよ。現代の延長にあの世界はないんです。
※5 イメージとしてはそれこそ最初のコミック版攻殻とアライズぐらいの違い。

 22個のスタイルはそのまま、基本→上級→サプリ1→2というステップアップがほかのゲームと比べてもスムーズなのがまとめて読んだ時の感覚で、社会戦やアクションランク(※6)それに元力みたいなオプショナルなルールが上級で増え、マイナスナンバーはサプリから、最初にヒルコとアヤカシ、次にN◎VAより現代に寄せた感じのハンドラー(ペットや守護霊使うやつ)とテツジン(マシンやAI)が増えていくのでだいたいどんなことができるのか想像はつきやすくなっております。

※6 ちなみにアクションランクの増えるアイテムはサプリ1、恒久的に増やせるハードワイヤードはサプリ2で登場。

 だからまー(結論としてはありふれてますが)N◎VAの世界設定に思い入れのある向きはそっちを遊べばいいし、ニュートラルな現代風の話を遊ぶだけならナイトメアでどうぞ、ってことなんだと思いますね。いまどきサイパン風のテクスチャ貼るだけならそれこそクトゥルフだってやってのけるわけですからw
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