美人の常磐津のお師匠さんのところに馴染みの盲目の按摩さんが来て、施術の途中でお師匠さんは眠ってしまう。翌日、按摩さんと瓜二つの盲目の男がやって来て、自分はその按摩の弟で、兄は三日前にあなたに恋焦がれて死んでしまった、と言う。思わずゾッとするお師匠さん。その盲目の男もお師匠さんに惚れてしまい一緒に生活するようになる。お師匠さんにはちょっとワルな愛人がいて共謀して盲目の男を殺そうと企む。
タイトルに怪談と銘打っているが、怪異は冒頭の部分だけで人間の業の怖さを描く。幽霊よりも生きている人間の方が怖いよ、ということか。怪談であることに間違いはない。
盲目の兄弟を一人二役で演じる船越英二が良い。この人は昔の大映の映画には何でも出ている印象で、二枚目から変態までいろいろ演じているが、本作は盲目の亡霊の兄と粗暴な弟を演じ分けていて上手さが際立つ。船越英二が上手いと思ったのは初めてかも。
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