憧憬

アメリカ留学から帰ってきた夢見がちな大学生がビジネスマンで現実主義者の兄の婚約者に惚れてしまう。アートを理解し話も合う婚約者を兄から奪いたいと考えた大学生だが現実という壁が阻む。
夢見がちな大学生を田中健、ビジネスマンの兄を若林豪、美しき婚約者を多岐川裕美、製薬会社社長で兄弟の母を高峰三枝子、という濃い面子が演じる斎藤耕一監督作。
美人で話が合って一緒にいるだけで楽しい、という多岐川裕美に田中健が惚れてしまうのはもっともなことで、曖昧な態度を取る多岐川裕美も罪作り。
「卒業」でダスティン・ホフマンは惚れてしまった他人の婚約者と逃亡してしまったが、本作の田中健はあえなく失敗。盛大に振られてしまう。
これが現実ってものでしょう。失恋のショックに呆然とする田中健だが、立ち直って元気になって欲しい。田中健は二枚目だし大丈夫でしょう。
斎藤耕一監督作はまだまだあるので、見れるものならもっと見てみたい。後年は新作が地味に単館上映されていたがスルーしていて、あれ、斎藤耕一ってまだ映画撮っているんだ、と思ったものだが、そういうのも見ておけばよかった。