ももたろうず。一話。
昔あるところにおじいさんとおばあさんとおじいさんがすんでおった。おじいさんは、山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に。おじいさんは山に芝刈りにいったそうな。
おばあさんが川で洗濯をしとると、川上から大きなももがどんぶらこ、どんぶらこと流れてきた。びっくりしたおばあさんは、それをただ眺めていると、もうひとつ大きな桃がどんふらこ、どんぶらこと流れてきた。
おばあさんは、おじいさんたちと食べようと、ももを拾おうと試みたが、前日降った雨のせいで、流れが早く、しかも川向こうに流れていってしまったので、捕まえられんかった。
そうしたところ、前の二つよりは少し小ぶりながらも、桃にしては巨大な桃がもうひとつ流れてきおった。
これは、捕まえんとあかんと思ったおばあさんは、洗濯物をほおりだし、身構えて、もものくるのをまっておった。
そうしたところ、ちょうど流れにのって、近くまで流れてきたので、もっていた服を網がわりに桃に引っ掻け、何とか三つ目の桃は捕まえることができた。
もうひとつくらい捕まえたろうかと思うてみたが、結局、桃はそれ以上流れてこんかった。
おばあさんは、洗濯物を入れてきた籠に桃を入れ、洗濯物は、そこにおいて家に帰ることにした。
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