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2020年04月04日05:39

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第10回【魔の王の少年】ゲームブックリプレイ

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※ここから先はゲームブック【魔の王の少年】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ぜろです。
祖父の遺言によりソロモン城の玉座を目指す僕、ノルス。
まずは禁忌の森を抜けなければなりません。
これまでと違ったルートを選んだ結果、美青年とギャンブル勝負をし、バジリスクの脅威から逃れ、追跡してくるスレイマンを隠れてやり過ごしました。
そろそろソロモンの城にたどり着きたい第10回。それではどうぞ。

【ノルス 技術点9 体力点8 運点10】


●アタック03-5 孤独のグルメ

森の瘴気が濃くなっている。
道の脇からうめき声がした。
近寄ってみると、「来るな。やめろ」と声がした。人間だ。
僕は、あやしい者ではないと告げた。
けれどその男は、「そうじゃない。お前の姿を見たら、俺は……お前を食べちまいたくなるんだ!」と、とんでもないことを言い出した。

男は傭兵。この森を抜け隣国の国境を破る予定だったのだが、好奇心に負けて探索した洞窟で、何の呪いにやられたのか、仲間を殺して食べてしまうような化け物になり果ててしまったのだという。

選択肢は特に出ない。悪魔召喚もない。僕には何もできることはなさそうだ。
せめてグルメバトル漫画の世界にでも送ってあげられれば良かったんだけれど。
そこに落ちていた先兵の腕輪だけを手に入れ、僕はその場を離れた。


●アタック03-6 再会 僕とアゼル

やがて、ついに禁忌の森を抜けた。
目の前には荒野が広がっている。
ここが禍國(マガツクニ)か。

じっちゃんはそこを「地獄」と呼んだ。
禁忌の森が魔境になってしまったのも、禍國の影響という。
どれだけ禍々しい土地なんだ、禍國。

けれどもそれ以上の脅威が僕の前に降り立った。

そこにアゼルが立っていた。その姿は痛々しいほどに傷ついている。
旅立ちのときの悪魔大召喚の影響で、かなりの打撃を与えたのは事実のようだ。

「なんという僥倖。感知の効かぬ昼にお前を見つけられるとは」

彼がここに現れたのは、偶然のようだ。
しかし偶然にせよ必然にせよ、出会った限りは戦うさだめ。

アゼルがスレイマンに攻撃を命じる。
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しかしスレイマンは動けない。いや、動かない。

「小僧、何をした!」

え? 僕、なんにもしてないし。
その時、心の中に響く声。《友人》だ! やっほう久しぶり。

『スレイマンを抑えていられる時間は長くありません。どうか、無事に生き延びてください!』

スレイマンの力を借りられないと知るや、アゼルは直接攻撃に出た。
僕も応戦しなければならない。

傷ついていると言ってもアゼルは技術点7、体力点10もある。
生半可なステイタスでは、まともに戦えない。
アタック01や02の僕だったらひとたまりもなかっただろう。
けれど今の僕は技術点9だ。これなら戦える。

この戦闘ではアゼルの体力点を0にする必要はない。4点以下にしたら新たな展開があるようだ。僕はどうにかアゼルの体力を4点にまで落とし込んだ。

だが、危機はここからだった。

『もうスレイマンを抑えることができません!』と《友人》。

アゼルのまわりに風がまといつき、アゼルは宙に浮いて中二病的なポーズを取っていた。

「やっと戻ったか。さあ、ここで地に朽ち、魔天にて永劫に彷徨うがいい!」

ここで選択肢だ。

・戦う
・悪魔を召喚する
・夜のタリスマンを使う
・世界の中心に助けを求める

選択肢の内容的にも、ここはかなりの正念場なのだろう。
世界の中心を頼るよりも、自力でなんとかしてみたい。
夜のタリスマン使用はもったいない。まだソロモンの城にも到着していないのに。
なら、悪魔の召喚だな。

呼び出せる悪魔の選択。

・アシュメダイ
・アモン
・ウシャス
・デュラハン
・メフィスト

なにこの豪華版!!
これまでと違い、間違った悪魔が紛れ込んでいない。
しかも十二使徒に属する高位の者ばかりがずらりと並んでいる。
これは、一体誰に頼ればいいのか?

僕には1つ不安がある。
スレイマンに対し、プロローグではやみくもに5体の高位悪魔をぶつけ、ようやく難を逃れたのだ。
ここで悪魔を召喚したところで、1体だけで対処できるのか? 前みたくまとめて召喚しようっていう発想は僕にはないのか?
と言っても、僕の体力は残り6点。そんなには呼び出せないんだけど。
高位の悪魔は体力消費が4点とか、多い場合がままある。できる限り消耗は避けたい。

そう考えたとき、1体の悪魔が目に留まった。

デュラハン。

彼だけは高位の悪魔ではない……はず。
この並びの中に紛れ込んでいるのにはとっても違和感。
効果はたしか「召喚者を逃走させる」というもののはず。
まさに今の状況にぴったりの悪魔だ。
問題は、この悪魔の召喚にアイテムが必要かどうかを忘れてしまったことだ。
けれどこのシチュエーション。他のメジャーどころよりもデュラハンが気になるに決まっている。

僕はデュラハンを召喚した。
僕の呼びかけに応じ、デュラハンは来てくれた。よかった、アイテムは必要なかったみたいだ。

デュラハンは僕を乗せると、たちまち戦線を離脱。

「どこへ向かおうが、スレイマンが必ず捜し出す。その時が、お前の最後だ!」

アゼルの、他力本願な悔し紛れの声を背に、僕らは高速で移動。スレイマンも追いつけない。
そして一昼夜以上は走り続けただろうか。

僕は、どこか懐かしい感じのする城の前に降ろされたのだった。

ここは……ソロモンの城だ!


次回、ソロモンの城の前に立ちはだかるものとは?


【ノルス 技術点9 体力点8→6 運点10】



■登場人物
ノルス 9歳の少年。アゼルに対抗するため、ソロモン城の玉座を目指す。
アゼル 自らを“影の王”と名乗り、王位の正統な後継者である僕の命を狙う。
スレイマン 世界に破壊をもたらすと言われる悪魔。風の精霊であり、あらゆる魔法を使いこなす。アゼルに従属している。
《友人》 僕の心に住む謎の存在。作中1回の助力が確約されている。
デュラハン 召喚者を戦闘から逃走させる悪魔。移動能力に長ける。

ゲームブックリプレイ【魔の王の少年】目次
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