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2020年03月30日23:36

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第4回【魔の王の少年】ゲームブックリプレイ

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※ここから先はゲームブック【魔の王の少年】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ぜろです。
ゲームブックリプレイがいつまで経っても始まらず、紹介記事が続いています。
ここまでは「悪魔召喚の書」を紹介してきましたが、ここから本編に入りましょう。
主人公の9歳の少年ヌルスは、どんな経緯で何を目的に動くことになるのでしょうか。


●挑戦者紹介

さて、この作品は冒頭に登場人物の紹介がついていますが、飛ばしますw
世界観やストーリーが頭に入っていないところにいきなり知らない人物の紹介を詰め込んでも入らないから、そのうち登場したら参照しましょう。

一応主人公のところだけ見てみると、「千年王国イラジエルの皇子にして七十二の悪魔を使役する世界随一の悪魔召喚術士」とありました。
イラジエルという王国が舞台になりそうなので、そこは頭に入れておきますか。悪魔召喚の書にあるのは48体の悪魔なのに、72の悪魔なのは気になるところ。

ここで改めて、今回の挑戦者の紹介です。

【ヌルス 技術点5 体力点18 運点9】

技術点5点はこの作品をプレイするうえで最低の点数です。
他もかろうじて平均といったところ。
序盤からかなり悪魔の力を頼らなければならないでしょう。

持ち物も確認。
・夜のタリスマン
・血の石 ……召喚アイテム。シャイターン用。
・ソウルキャンディ ……尊大な悪魔を送還する時に使う
・小刀
・金貨20枚
・食料2食分

そして、いつもは「俺」な一人称は、9歳の少年ということで「僕」に変更することにして、本編に入りましょう!


●アタック01-1 物語のはじまり

僕、ヌルスは森の中でドルスじいちゃんと2人きりで暮らしてきた。
僕の名前、ヌルスでよかったあ。ネーミングのタイミングによっては僕の名前もドルスになりかねないからね。

そんなメタな感想はさておき、そんな僕にはもう1人、《友人》がいた。
といっても一緒に暮らしているわけじゃない。ある時から僕にだけ聞こえる声としてあらわれたんだ。
《友人》は僕に助言をくれたり話し相手になってくれたりした。いつしか僕は《友人》をかけがえのない存在と思うようになっていた。
《友人》は遠く世界の中心にいるという。
僕は《友人》に会いたかったが、僕が不思議な夢を見てから、《友人》は、もうすぐ会えると言うようになった。

不思議な夢。
それは、古城の玉座に座る僕と、それを取り囲む悪魔たち。そして僕が悪魔たちに命令を下す夢。
でも不思議と怖くはない。悪魔たちには親しみさえ感じた……。

その夢を見る頃からドルスじいちゃんは、僕を地下の秘密の部屋に入れてくれた。
僕はそこにあった悪魔召喚の書を読みふけり、みるみる悪魔召喚の技術を習得していった。

事件が起きたのは、そんな時だ。

「アゼルが来る」

ドルスじいちゃんは、そいつが来る直前に察知した。怒りと絶望の表情を浮かべている。
その男が玄関を開けた瞬間、ノータイムで炎の玉の呪文を叩きつけるじいちゃん。
でも、その男は、涼しげに立っていた。

「祖父よ。おとなしくソロモンの指輪を渡せば良いものを。されば、その小僧も貴方も生きていられたであろうに」

アゼルは黒マントに銀の髪の20代くらいの男だ。じいちゃんを「祖父」と呼んだところからすると、僕と兄弟か、従兄弟なのか?
ドルスじいちゃんは果敢に戦いを挑むが、アゼルが召喚した風を操る悪魔「スレイマン」の前に手も足も出ずに倒された。

「悪魔を……呼べ……」

息も絶え絶えなじいちゃんのつぶやきに、僕は悪魔召喚の書から得た知識で、思いつく限りの悪魔に呼びかけた。

「メフィスト! アモン! アシュメダイ! ヨウコ! ウシャス! バルビュート!」

ちょwwww どさくさで僕バルビュート呼んでるwwwww

バルビュートは願いを叶える悪魔だが、術者を破滅させるという絶対呼んじゃいけない悪魔だ。
悪魔召喚の書を読んでた時には、コイツは絶対呼んじゃいけないやつだって思ってたはずなのに、印象強さからつい口をついて出てしまったのだ。

僕の呼びかけに応じて来てくれたのは5体の悪魔だった。バルビュートはいない。ほっ。
バルさん来なかったのは触媒がなかったせいか、それとも体力が不足していたのか。
そういえば5体も、しかも高位の悪魔ばかり呼び出して、僕の体力点は大丈夫なの?!

そう思って確認すると、この5体で消費体力は18点。
僕の体力は18点。
ぴったり0だ。

僕は力尽きて倒れた。ゲームオーバー。

じゃない! まだ倒れていなかった! 生きてるよ!
ここはまだゲームが始まってさえいないプロローグ。そのへんはイベントシーンということで、うやむやなまま話は進んでしまうのだ。

5体の悪魔の活躍により、アゼルと悪魔スレイマンはひとまず去っていった。
悪魔たちも帰っていった。
本来「尊大」な性格で僕に憑依してしまうはずのアモンは、他の悪魔たちが連れ帰ってくれた。ありがと。悪魔さんたちはけっこういい人。

あとには体力を消耗しきった僕と、瀕死のドルスじいちゃんだけが残された。

「1人で、森を行け」

じいちゃんは言った。

「一緒には行けん。お前は1人で森を抜け、玉座を目指すのだ」

じいちゃんは語った。
僕は千年王国イラジエルの皇子であること。
僕の父、皇帝クラウゼウスは、9年前に、当時11歳だったアゼルに殺され、イラジエル王国は崩壊したこと。
秘密の部屋で読んだ悪魔召喚の書は、“影の王”アゼルと僕にしか使えない本であること。

「禁忌の森を抜け、アゼルに滅ぼされたソロモンの城を目指せ。玉座で力を手に入れるのだ。“影の王”アゼルを止められるのは、奴と同じ悪魔召喚の力を持つお前しかおらん」

そう言うと、ドルスじいちゃんは最後の炎の玉の呪文で小屋に火を放った。
悪魔召喚の書がアゼルの手に渡らないため、全て燃やし尽くす必要があるのだ。

僕は、じいちゃんと永遠のお別れをした。

そして僕は旅立った。たった1人で。炎の旅立ちだ。

でも、9歳に過ぎない僕は、すぐに寂しくなった。
そこに心の中から声が聞こえた。

《友人》だ。

《友人》は僕に助言をくれた。

・夜のタリスマンは、1度だけ僕を死の淵から救ってくれる。
・夜は悪魔スレイマンの力が強まる。身を隠すように。
・《友人》は1度だけ、小さな奇跡を起こして僕を助けることができる。

《友人》の声が聞こえなくなると、また僕は1人きりになった。
でも、進まなければならない。
禁忌の森を抜け、無の荒野『禍國(まがつくに)』を越えて、ソロモン城の玉座を目指すのだ。

玉座で手に入る力とはどんなものなのか、それはわからない。
でも、このまま何もしないでいても、アゼルに命を狙われ続けるだけだ。僕の王位継承権と悪魔召喚の力が目障りだからだ。
じいちゃんの言葉を信じ、ソロモンの城の玉座に行こう。

僕の冒険は、こうして始まった。
ここからが冒険のはじまりだ。
いろいろあったけど、ステイタスはなにごともなかったかのように満タンで!

【ヌルス 技術点5 体力点18 運点9】


次回、禁忌の森で早速大ピンチ。早くも悪魔召喚か!?

■登場人物
ヌルス 残念な名前の9歳の少年。アゼルに対抗するため、ソロモン城の玉座を目指す。
ドルス 僕の祖父。魔法使い。イラジエル王国崩壊の時、生まれたばかりの僕を連れ、禁忌の森に隠れ住む。
アゼル 自らを“影の王”と名乗り、王位の正統な後継者である僕の命を狙う。
スレイマン 世界に破壊をもたらすと言われる悪魔。風の精霊であり、あらゆる魔法を使いこなす。アゼルに従属している。
クラウゼウス イラジエルの皇帝で僕の父。9年前、アゼルに暗殺された。
《友人》 僕の心に住む謎の存在。作中1回の助力が確約されている。

ゲームブックリプレイ【魔の王の少年】目次
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