※ここより先はゲームブック【緋色のハザード】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
前回華麗な推理を外しまくって最後の1人にまでなった挙句、ようやく黒幕を挙げることに成功しました。
そして黒幕は緒方警部によって倒されました。しかしまだ和久井さんが登場していません。一応メインヒロインなのに。
これは、まだ何かあるんじゃないの?
●アタック09-2 ラスボストーリーは突然に
黒幕は倒れたものの、危機的な状況であることには変わりはない。
外には黒幕の呼びかけに応じて突入する部隊が待機しているのは失敗から学んでいる。
俺たちがこの局面を脱することができるとすれば、今この場から全世界に真実を発信し、俺たちを殺す価値をなくさせるしかない。
通信回線は切られていたが、更科博士は別回線で外部と通信する手段を確保していた。
こんなこともあろうかと、ではなく、単に外部の研究者とアクセスするのに便利だったから勝手に増設していたらしい。そりゃ黒幕の目に届かないわけだ。
更科博士の力で、真実は全世界に拡散された。
それはみるみるうちに世界中に広まった。
それと同時に真実を知る俺たちを消す必然性は薄れて行った。
これで安心だ、と思ったが、そうではなかった。
外から喧噪が聞こえる。
銃撃戦が展開されている?
誰が、誰と?
それは明らかだ。
部隊が、感染者と交戦しているということだろう。
これは異形と化した和久井さんが突入してくる流れか?
警戒したところで、ドアを破って巨大な怪物が飛びだしてきた。
ドア前にいた緒方警部は、ドアと怪物の下敷きになり死亡した。
ちょ、いいはみだし警部だったのにあっさりヒドス。
背後には、全滅した特殊部隊が見える。
どう見てもこれがゲーム的なラスボスだ。タイラントだ。
でも、こんなの相手にどうしたらいいんだ。
●アタック09-3 ラスボスと呼ばないで
たちまちのうちに、赤城会長が血の海に沈んだ。
「そうか。特殊部隊が証拠を隠滅するために、培養槽を壊したのか。それで試験体が……」
更科博士、こんな時に丁寧な解説どうも。
でもそれよりも何か対処法を教えてくれると助かるんだけど。
「君、ワクチンをまだ持っているか? もしかしたら効くかもしれん」
ワクチン?
ああ。あるよ。和久井さんに打つために預かっていた。
結局投与できないままだったから、そのまま手元に残っている。
俺は、怪物が鷹野記者の惨殺に夢中になっている隙に、ワクチンの詰まった注射器を背中にぶち込んだ。
怪物はおかまいなしに鷹野記者を殺し、そして振り返る。腕を振り上げる。
ダメかと思ったその時、怪物はもがき苦しみ始めた!
そしてゆっくりと怪物は地面に倒れた。
よし。ラスボスは倒れたぞ。
だが、まだ安心はできなかったのだ。
●アタック09-4 ヒロイン失格
倒れた怪物の向こうに立っている人影があった。
和久井さんだ。
血まみれでチェーンソーを持っている。
流行りのチェーンソーでゾンビ殺っちゃうよ系女子だ。ロリポップチェーンソーだ。
「感染者隔離室にいたはずじゃ。そうか。培養槽室と一緒に出られたのじゃな」
そんなことより博士、和久井さんにちゃんとワクチン投与してくれてあるんでしょうね。俺はできませんでしたよ?
和久井さんは、うつろな目で俺を見ている。
ああ、これはアレだ。ゾンビ状態に入っちゃってるやつだ。
博士は和久井さんを隔離しただけで、ワクチンを投与してくれなかったのだ。なんでさー!
俺は死んだ。
アタック09 和久井さんに殺される
次回、和久井さんを殺せばみんなハッピー!
■登場人物
和久井 出番の少ないヒロイン枠。ウイルス感染者で絶賛隔離中。
更科博士 ゾンビ化ウイルスに関わっている極東大学附属病院の医師。
鷹野記者 緋川タイムズ新聞社の敏腕っぽい記者。
銃砲店店主 もと狩猟の会会長。事件の黒幕。
緒方警部 はみだし警部。独自に真相を追っている。もっとはみだせ。
赤城会長 製薬会社の会長。ワクチン流通に関わっているようだ。
俺 俺9号。ラスボス倒したのにヒロインに殺される。
ゲームブックリプレイ【緋色のハザード】目次
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