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2022年05月12日09:18

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48歳の抵抗から60年以上、ますます深刻化する中年クライシス

出川哲朗、上島竜兵さん追悼「最高のライバルであり最高の友でした」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6953041
中年クライシスとは、ユング心理学者の故・河合隼雄氏の名著だが、高齢社会となった日本で中年とは第二の思春期という内容で、思春期と違って先がない分生きづらくなる。

60年以上も昔の高度成長の始まり、石川達三の『48歳の抵抗』という小説がベストセラーになり、映画化もされた。中年の終わりにさしかかった男が、仕事にもプライベートにも(特に恋愛)悪あがきする話で、今の若者が聞けば、え?48なんてまだバリバリの現役じゃん?と思うだろうが、当時の男の平均寿命が63ぐらいだから、48はもうかなり老人だったのである。つまり中年の生きにくさ、女性の場合は更年期障害とかで昔から有名だが、男性の場合はスルーされがちではあったが、こんな先例もあったのだ。

中年男性タレントの自死のニュースが続いて思ったのは、48歳の抵抗の時代から、中年の生きづらさは深刻化する一方なのではないか?ということだった。今の男の平均的寿命は80代後半で、昔の48は今の60代半ばから後半ということになる。仕事も定年退職し、年金暮らしで悠々自適の余生というのは本当に一部で、多くの中年は年金だけでは生活していけない老後の暮らしを不安に思いながら、日々生きている、親も死に、自分の人生も終わりに近づいてきたという実感が否定できない。若い頃は軽々とできたことができない、夜眠れなくなり、トイレに行く回数が増える、忘れっぽくなるという症状は男女の別なくやってくる。

瀬戸内寂聴さんみたいに出家できたら!と思うことだってある。なにせ中年そして老年は思春期の何倍も長いのだ。

私の場合、それでもなぜ生きるか?と問われたら、映画があるから、と答えるかもしれない。読書家はとっくに引退してしまったが、あの苦しい思春期を支えてくれた映画に今も私は支えられている。私の好きな映画や音楽のクリエイターたちを見れば、サザンの桑田も66、浜田省吾は70、ボブ・ディラン81、もっと凄いのはクリント・イーストウッドで90を過ぎてもまだ現役、彼の凄いところは60過ぎてから名画を量産していることだ。

もちろんそれは才能に溢れた人たちだから、ということもある。だから私のような一般人はせめてそういう先行者の背中を追って、歩いていくしかない。人生の最終コーナーを回ったかどうかなんて誰にもわからない。100まで生きるかもしれない。

とりあえず一日、一週間の目標を立てる。今週はシンウルトラマンの公開だから、日曜に見に行って、同居する妻や首都圏で暮らす息子とあれこれ感想を話し合う。それは息子を初めて映画館に連れて行った25年以上も前からの我が家の習慣である。

この国、この世界を覆う閉塞感に抗いながら、そんなふうに私は中年の終わりから老年を生きようとしている。





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