Netflix、2020年視聴1位は『愛の不時着』、韓国ドラマは6倍に成長 嵐は7位
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２０２０はコロナ禍と韓流ドラマの年だった。わが家では２月下旬から見始めて、妻は１００作品、私は『愛の不時着』、そろそろ３０周めに入ったか、入らないか？（２０周までは数えていたが、途中からメンドクサクなって！笑）
私たち夫婦は２０年まえ『愛のソナタ』にハマらなかったマイノリティーである。それがなぜここまでハマったのか？ひとつは映画『パラサイト』の影響だろう。韓国固有のテーマに世界性をもたせた力技は、確かにアカデミー賞にふさわしかった。そして韓流アイドル、たとえばＢＴＳのアメリカでの大成功と世界での大活躍だ。もともと韓国のエンタメのひとつの目標は日本で成功することだったのだ。本国の市場が狭いので、まず日本で成功してアジアへ進出する。ところがこの10年日本が嫌韓ブームになって、大型書店には嫌韓本が平積みにされているうちに、気がつけば韓国のエンタメはとっくに日本を追い越し、世界へと羽ばたいていた。
この『愛の不時着』の面白さは、嫌韓本の浅い分析ではけっしてわからない。儒教だけでは韓国社会の問題は解明できない。私はかねてから、格差社会・競争社会である韓国の背景には、７０年に渡る分断国家であることのストレスがあると思ってきた。その北朝鮮というテーマを、堂々と真正面から、しかもラブコメとして描いたところが画期的なのだ。
作品の特徴としては
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つまり対称性、対比が明らかな構造（韓国と財閥令嬢と北朝鮮のエリート将校、北の貧困と南の繁栄、等々）なので外国の視聴者が観ても、とてもわかりやすい。脚本は女性でテレビの構成作家のキャリアもあるので、場面展開もきわめて大胆でユーモアがある。
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相手役のヒョンビンも素晴らしいが、ヒョンビン沼ではなく、女優・ソン・イェジンの悲劇から喜劇までオールラウンドに駆け回る演技の大博覧会である。ドリフのコントばりのコテコテのコメディを演じるかと思えば、鼻を真っ赤にして号泣する。ワンシーンどころではなくワンカットでこれだけ表情が変わる女優はめったにいない。
��なぜ日本でこれほど大ヒットしたのか？
韓国でもヒットしたが、日本での大ヒットは異様ともいえる。ソン・イェジンも日本メディアのインタビューに、驚いている、と答えるほどだ。この10年におよぶ日本と韓国の政治的対立によって生まれた嫌韓のムード、特にネットに拡散していまに至っている不自由さに私たちは飽き飽きしていたし、多くのメディアは、もっとも近い隣国・異文化の評価をおざなりにしてきていたのは事実だろう。だからこそ私たちはここに来て、世界に発信されている韓流ドラマを観て、新しい韓国文化の面白さに覚醒したのではないだろうか？
いまだに日本と韓国の政治的対立がつづいているが、政治を超えた新しい日韓関係に、このドラマの視聴体験は繋がっていくのではないか？とまで私は思っている。
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