<中学聖日記>トレンド1位!“純愛”貫いた最終回にファン号泣!!「最高の作品をありがとう」
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今期のドラマではベスト作品だと私は思う。ハマる、ハマらないということよりもなにより、もうさんざん作り尽くされて、ボロボロの雑巾のように成り果てた恋のドラマを、ここでもう一度新しい視点から再起動させようというスタッフの熱意がハンパではなかったから。
制作はドリマックスの新井順子プロデューサーである。私は彼女のプロデュース作品『Nのために』、『リバース』、『私結婚できないんじゃなくしないんです』、そして大傑作の『アンナチュラル』を見てきて、いまもっとも面白いドラマを作るプロデューサーだと思っている。その理由は、つねにいまの日本社会への風刺と批判があること、さらに絶望だらけでもその先にある僅かな希望を信じていること、つまり人間への信頼が基本にある。湊かなえの小説のドラマ化が成功して、ラブコメでも、今回の『中学聖日記』でも、ハラハラヒリヒリドキドキが連続する。つまり恋とは、もともとホラーであり、ミステリーであり、サスペンスなものなのだという原点回帰と、さらにそこに現代性を加味する。
少年と年上の女性の恋は、普通は成就しない。ツルゲーネフの『初恋』から始まり、多くの小説、映画、ドラマも同じ。ところがこの作品は、悲恋では終わらせなかった。そこにはヒロインを、少年が大人になっていくうえでの踏み台にしてたまるか!という女性としての、今までの同ジャンル作品への批判があったのではないか?それこそがいま、なのだ。
だからこそのハッピーエンドであったし、その直前まで追いつめられるのだろうと思っていたし、ラストカットも素晴らしい映像美だった。
ヒロインを演じた有村架純は、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』も同じように耐える役柄だったのだが、今回のほうがハードルがもっと高い。かなり精神的に追いつめられたと思うがよく演じきった。アップになったときの、思い悩む表情が見事で、堂々の主演女優だったし、裏主演ともいえる吉田羊も大暴れ、新人の黒岩くんも、佇まいとまなざしが色気があった(というのは妻の意見!)。
カメラも、演出も、いつもの新井ドラマの丁寧さ、繊細さがあり、男子中学生が先生を好きになる、そして先生もまたその男子を好きになるプロセスに説得力がなかったという欠点はあっても、ここまでテーマをひっぱっていった勇気は素晴らしかったと思う。ドラマの見方を知らない視聴者が多いので、視聴率的にはイマイチだったのが残念だが、こういうドラマを見て面白いと思わないのは、やはり人生を損していると私は思ってしまう。
さて新井プロデューサーの次回作はなんだ?
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