ちょっと気づきがあったもので、この場を借りて発表いたします。研究者の間では常識かもしれませんが。
手塚先生の自伝的側面を持つ『どついたれ』。未完で終ったのが惜しまれる。
さて、先生上京のおり、かねてから私淑するマンガ界の先達 横井福次郎に出会う。
その厳しい指摘に打ちのめされる手塚先生であった……。
横井先生は1948年(昭和23年)に36歳の若さで亡くなられている。手塚先生との出会いは三十代なかばであろう。
ところが、作中の横井先生はどう見ても初老から中老の風格。
手塚先生の目にこう映っていたのか? 単なる劇的デフォルメなのか?
まぁ、昔のオトナは今よりオトナだったという感慨が私にある。21世紀日本のオトナはコドモの幼形成熟アホロートルばかり増えてしまった。……私もそうかな。
鉄腕アトムの十万馬力は、横井先生の代表作『ふしぎな国のプッチャー』に登場する人造人間ペリーの性能を踏襲している。
それほど傾倒する大先輩から酷評された手塚先生の落胆は如何ばかりか……。
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