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2020年03月10日19:48

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ガラスのうさぎ

戦争を起こそうとするのは人の心です。戦争を起こさせないとするのも人の心です。75年目の慰霊の日。「ガラスのうさぎ」を読み返す。

ガラスのうさぎは、12歳の少女が東京大空襲の体験を通して、戦争の本当の悲惨さや恐ろしさを知り、そして、その後の混乱と厳しい生活を生き抜きながら、平和への願いを渇望する実話。原作者の高木敏子さん自身の経験を元に1977年金の星社から出版(両親と妹たちの33回忌に寄せて自費出版した「私の戦争体験」を加筆・訂正したもの)。ロングセラーとして人々の間で読み継がれ、また海外でも多数の国で翻訳出版されている。

出版と同時に多くのメデイアで話題を呼び、映画化、NHK銀河テレビ小説にてドラマ化、終戦60周年記念作品として、アニメーション映画「ガラスのうさぎ」が制作されている。

内容
太平洋戦争末期、東京下町に住む少女・敏子は敗戦色が濃く物資が欠乏した厳しい世の中で、家族とともに一生懸命生きていました。しかし、昭和20年3月10日の東京大空襲で、母と二人の妹を失ってしまいます。神奈川県二宮町に疎開していた敏子は、焼け跡から、空襲の猛火で形の変わったガラスのうさぎを堀り出し、戦争の恐ろしさを目の当たりにします。更に疎開の途中、駅で米軍機の機銃掃射を受け、父までも亡くしてしまいました。たったひとりになった敏子は、絶望の果てに死を見つめ深夜の海辺をさまよいますが、「私が死んだら、お父さん、お母さん、妹たちのお墓参りは誰がするの。私は生きなければ……」と孤独と悲しみの中で、心を奮い立たせるのでした……。

75年前の日本には、敏子ちゃんと同じような子どもがたくさんいました。そして今も世界のどこかで「敏子ちゃん」は生まれています。悲しいことです。子ども達の未来は、明るく平和であってほしい。
12歳から一人で生きることを強いられた高木敏子さんは、「なぜ、大人は戦争を止められなかったのか。なぜ、女性は反対するどころか、賛成をせざるを得ない状況で、夫や子どもにやっと『生きて帰って』と言うくらいの意思表示しかできなかったか」と心底恨んだ日々もある。「でも、選挙権がなく、そういう状況下ではやらざるを得なかったんですね」と。

また、「平和の時代を生きている私たちが、まず平和を守っていくことが一番の責務です。」
「戦争を起こそうとするのは、人の心です。戦争を起こさせないとするのも人の心です。みんなで戦争を起こさせないとする強い心の輪を、しっかりと結んで、拡げていきましょう。」と語ってられます。
 
高木敏子(たかぎとしこ) 
童話作家。1932年東京府本所区(現・東京都墨田区)生まれ。旧姓江井。
「ガラスのうさぎ」で、1978年 厚生省児童福祉文化奨励賞、 1979年 日本ジャーナリスト会議奨励賞。2005年 平和活動が評価されエイボン女性大賞を受賞。

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