mixiユーザー(id:6889089)

日記一覧

白鬼の花―9話―
2009年01月31日00:48

「そろそろ、花の話をしようか」白ヘビのその言葉に、白鬼はハッとして、顔を上げました。そうだ、僕は花がどこに咲くかを聞きに来たんだ。ようやく見つかるんだ。やっと見つかるんだ。胸がドキドキし、自然に野ウサギの顔が浮かびます。「虹色の花は、そこに

続きを読む

白鬼の花―8話―
2009年01月30日01:22

「虹色の…花?」「そうだ。お前が探している花は、虹色の花だ。7枚の花びらを持つ花で、一枚一枚が赤、橙、黄、緑、青、藍、紫色をしている。その花を食べれば、どんな病気も怪我も治り、元気になると言われている。伝説だと言われているが、伝説でもなんで

続きを読む

白鬼の花―7話―
2009年01月29日00:15

穏やかだった村は、一瞬にして雰囲気が変わりました。我先にと逃げ出すものもいれば、石や棒や近くにあるものを投げつけるものもいました。おびただしい足音、罵声、叫び声に紛れて、家や窓の鍵を閉める音もカチャリッカチャリッと聞こえます。砂埃が舞います

続きを読む

白鬼の花―6話―
2009年01月28日00:45

白鬼は心配になりました。あの後、野ウサギに何かあったのだろうか。どうして山に来ないのだろう。もしかして、花が見つかったのだろうか。待っても待っても、野ウサギは姿を現しません。会えない日々が続き、胸が苦しくなりました。そばにいることが当たり前

続きを読む

白鬼の花―5話―
2009年01月27日02:20

いつものように花を探した帰り道。白鬼の肩に乗った野ウサギは、深く長いため息をつきます。「今日も見つからなかったね…」花が見つかったら、野ウサギとはもう会えなくなってしまう。だけど、花が見つからないことで野ウサギが悲しむことは、とても悲しく思

続きを読む

白鬼の花―4話―
2009年01月26日00:02

それから、毎日のように野ウサギは山にやってきました。晴れの日も雨の日も風の日も、二匹は花を探し続けました。野ウサギは、元気が出ないともだちのために。白鬼は、ともだちである野ウサギのために。野ウサギも白鬼も、毎日一生懸命でした。そんな二匹の様

続きを読む

白鬼の花―3話―
2009年01月25日02:49

日が暮れてきました。今日の花探しはおしまいです。白鬼は肩に野ウサギを乗せ、山を下りていきました。野ウサギの小さな足ではとてもとても長い道のりです。だけど白鬼の大きな足のおかげで、ずいぶん早くふもとに着くことができました。「送ってくれてありが

続きを読む

白鬼の花―2話―
2009年01月24日01:06

野ウサギはピョンピョン跳ねながら白鬼のすぐそばまでやって来ました。そして、ニコニコ笑いながら言いました。「僕、山のふもとから花を探しに来たんだ」「花?どんな花?」白鬼は首をかしげながら尋ねました。こんなに山の高い方まで来なくても、色々な花が

続きを読む

白鬼の花―1話―
2009年01月23日20:18

これは私が書いた物語「白鬼の花」です。まだまだ未熟ですがもしよろしければ感想お聞かせください。高い高い山の、奥深くにある洞窟。そこに、白鬼が暮らしていました。白鬼は何かを傷つけることが大嫌いな鬼だったので、鬼達から仲間外れにされていました。

続きを読む