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2016年05月12日00:42

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アシュケナージ デュオリサイタル

5月10日(火)19:00 サントリーホール
ウラディーミル&ヴォフカ・アシュケナージのピアノデュオを聴いてきました。

ウラディーミル(父)は言わずと知れた世界的巨匠。今年7月で79歳。
1955年 18歳でショパン国際ピアノコンクール優勝。
1985年 48歳のとき、東京公演を聴きに行きました。
当時私は18歳。自分の意思でチケットを取ったのも、海外のピアニストを聴いたのも初めて。
今回、彼の生演奏を聴くのは31年ぶり。

ヴォフカ(息子)の演奏を初めて聴いたのは、もう20年以上前。
ラフマニノフ「パガニーニの主題による変奏曲」 (ピアノ+オケ)の録音。
この曲、最近だと東急不動産のCMに使われています。

夕べは2台ピアノで、プログラムも新鮮でした。

★グリンカ 幻想的ワルツ ロ短調
ロマンティシズムにあふれ、聴きやすいサロンふうの曲でした。
旋律をいくつも際立たせて、歌・調べを自由自在に表現していたのが印象的。

★スメタナ モルダウ
連作交響詩「わが祖国」の2曲め、だれもが耳にしたことのある曲。
オケのいろんな楽器を音の高低も含めて忠実に再現した編曲でした。
さらさらと流れる川の描写は、ペダルを使わず、あるいは浅く踏んでいたようです。
一つ一つはっきり音が聞こえました。
チェコのプラハで目に焼き付けたブルタヴァ川(モルダウ)の情景が浮かびました。

★ラベル スペイン狂詩曲
プログラムを読んで、ラベルがスペイン・バスク生まれと初めて知りました。
ヨーロッパのいろんな作曲家が、スペインに思いを馳せてたくさんの曲をかいていますが・・・
ラベルのそれは、あまりスペインぽくなく「やはり」ラベルの響きでした。
4曲からなり、気付いたら終曲になっていました。

★ラフマニノフ 交響的舞曲
2台ピアノが原曲ですが、実はオケ版しか聴いたことなくて、しかも数十年前。
激しく重たく心の叫びを歌うかと思えば、甘く切なく堰を切ったように歌う。
特に後者は「いかにも」ラフマニノフで、久しぶりに感慨深いものがありました。

父と息子で息がぴったりあった演奏は、実に心地よく美しい響きでした。
2階の正面席で二人の手の動きもよく見えました。
2台ピアノに限らず、音を轟かすあまり音量が前面に出る場合があります。
でも二人の演奏はとても自然で、すーっと全身に吸収されていくようでした。
あまりにも普通に自然に弾くので、そのすごさを感じないほど、すごい演奏でした。

鳴り止まない拍手に応えてアンコール。
弾く前にウラディーミルが「ロベルト・シューマン」と客席に向かって話してくれました。

★シューマン=ドビュッシー  カノン形式による練習曲 作品56-4
演奏会終了後に貼り出した紙を見て「ドビュッシー編曲なんだ!」と意外でした。
愛がとめどなくあふれるようなシューマンの甘い旋律が心に沁みました。

聴衆は常に・・・アンコールをできるだけ期待するので、拍手をやめません。
でもウラディーミルは愛嬌たっぷりに「もう楽譜ないよ?」とおどけてみせました。
31年前のときも、舞台前に花束を持った人がたくさん押し寄せたら
「こちらから一列に並んで」とジェスチャーしたのを思い出しました。

舞台に出てくるとき、ピアノの前まで来ると「とととっ」と小走りで若々しい。
サントリーの大ホールは正面パイプオルガン側にも客席があります。
くるくる回りながら四方にお辞儀して、なんだかかわいい♪
ヴォフカも演奏だけでなく編曲や教育にも力を入れて、いつの間にか中堅。
この二人のデュオは、ぜひまた聴きたい、聴かないと損、と確信しました。
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