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2020年11月24日23:39

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映画日記『天龍一座がゆく』

2020年11月24日(火)

『天龍一座がゆく』(2012年)
監督:ワン・ユーリン
駅西・シネマスコーレ

<台湾巨匠傑作選2020>から4本目。

台湾の大衆演劇である「歌仔戯」(チラシによると“グアヒ”と読むらしい)の一座に巻き起こる人間模様を描く一編。
歌仔戯は一見すると京劇のようだが、途中で歌謡ショーがあったりして、かなりくだけたものらしい。
さらに、劇のヒーローを演じるのは、宝塚みたいなキリッとした男役の女優が演じることが多いという。

高雄の歌仔戯一座で、主演をつとめる男役の看板女優がバイクと接触して足を痛めてしまう。
このままでは興行ができない。
困り果てた一座だったが、ひょんなことから接触したバイクの運転手をつかまえ、ヘルメットを脱がすと、そこにはひげ面ながら、なんとなく人気女優とよく似た男がいた。
さっそく男のひげを剃ると、うりふたつだった。(もちろん女優さんの一人二役)
一座はいやがる男を無理やり看板女優に仕立て、舞台に上げるのだったが・・・・

知らない俳優さんばかりだったので、誰が兄で誰が妹で、誰が妻で誰が愛人で、といった一座の人間関係が最後まで理解できなかった。
ということで、話に入り込めなかったのが残念。
とはいえ、歌仔戯の楽しさは十分に伝わる。
舞台でトラブルが発生して、時間稼ぎのために一座の若手の女優さんが大胆に背中をカットしたラメの衣裳で、歌謡ショーをくりひろげるシーンが楽しい。
小津安二郎の『浮草』に出てくる旅芝居一座の舞台と同じで、観客の中におおぜいの子どもが交じっている様子に、哀感と郷愁をおぼえる。
そして、ラストの宙乗りに息を呑む。
よく分からなかったが、舞台上のお芝居のセリフや歌が、登場人物たちの心情とリンクしているみたいだ。

ストーリーの細部は理解できなかったが、「歌仔戯」という異文化の一端を知ることができただけでも、見る価値があった。



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