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2020年01月25日22:55

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映画日記 『下女』

『パラサイト 半地下の家族 』の感想を日記にあげたら、マイミクさんから、『パラサイト〜』は『下女』を意識してるみたいですよ、というコメントをいただいた。
『下女』というタイトルは、映画雑誌などで何度か目にしたが、実際に見たことがなかった。
『パラサイト〜』の公開にあわせた企画なのだろうか、その『下女』を含むキム・ギヨン監督の旧作10本が上映が始まった。


2020年1月25日(土)

『下女』(1960年)
監督:キム・ギヨン
駅西・シネマスコーレ

舞台は1960年の韓国。
とある都会のプチブル一家に、若い下女が雇われた。
女工あがりの下女は、人前でタバコは吸うような、少々すれっからし。
とはいえ男好きのする顔立ちで、妻が不在となった雨の夜、下女が誘惑すると、一家の主人はころりと関係をもってしまう。
そして、下女は主人の子を身ごもり・・・・・

ひとことで言うと、若い下女がそこそこ裕福で、とても幸せだった家庭をめちゃくちゃにするというお話。
下女の出自が貧困層のような描き方なので、金持ちと貧乏人の階級間の戦いともとれるが、プチブル一家が『パラサイト〜』のような圧倒的な富裕層ではない。
なにしろ、一家の奥さんが内職でミシンの針仕事をしてるほどだ。
作られたのが60年も昔の、1960年のことだ。
今ほど貧富の差が激しくなかったのかもしれない。
いっぽう、その「1960年」といえば、日本では「60年安保」で、左派と右派がせめぎあっていた時代だ。
もちろん朝鮮半島では南北の緊張が続いている。
そんな時代背景を念頭におくと、幸せな家庭に紛れ込んだ、まるで「異物」のような若い下女に、「北」からやって来たスパイのイメージがあるような気がした。

ドロドロとしたストーリー展開に、過剰な劇伴と、私のような名古屋人好みの濃い味付けの映画だ。
人を喰ったラストには、おもわず笑ってしまった。

楽しかった川島雄三特集が終わってしまい、ここ数日腑抜け状態だったところに、タイミングよくキム・ギヨン監督の特集上映が始まった。
3週にわたっての特集上映だが、極力見に行くつもり。
ふたたび、気分が盛りあがってきた。


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