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2018年12月10日13:24

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「知ってはいけない2」矢部宏冶

日本国土のどこに基地を置くかは事実上米軍の自由である
有事の際には自衛隊は米軍の指揮下に入る
在日米軍が日本の基地から他国攻撃に飛びたっても構わない

矢部の一連の著作で、一定数の日本人がなんとなくそんなことだろうと思っていたことが、戦後の密約が(たぶんアメリカ側の自動的に過去の政治文書が公開される歳月を経たことが要因)公開されることで、日米間の「約束」だったのだと、腑に落ちてきた、という具合だろうか。

この本では、より具体的な安保のからくり、岸信介とアメリカの関係について書かれている。
旧安保の「行政協定」は、現安保の「地位協定」その他にまったく同じように引き継がれ、安保改正を岸の手柄だとする修正主義は一顧だにされない。
不可視化されたいう罪だけしかない、と。

矢部は、岸信介がアメリカからいかに特別な保護を受けたか(資金援助、CIAからの政治的援助)、そして安倍晋三が首相である限りその詳細は明らかにされないだろう(つまり安倍退陣となればすべてが明るみに出る)と書く。
まあ、過去の詳細なアメリカと日本の関係が明るみに出たところで、われわれからみると、「やっぱりな」と思うだけかもしれないが、ある人々にとっては代々の悪事が暴かれるに等しいのかもしれない。が、アメリカに隠す気がないことが明らかだから、その流れは止められないだろう。
むろん、アメリカの属国だったからこそ経済だけに傾注出来た結果の高度経済成長、という側面もある。だが、日本が韓国に対して「いい加減にしてくれ」と言うのと同じように、「もう属国じゃなくなっていいだろう」と思う。

アメリカはそれほどまでの共産主義(ソ連)を怖れ、嫌悪していたのか。
日本を放っておくことも出来たはずだが、冷戦を戦うためにどうしても日本が必要だった。
冷戦は終わり、アメリカにとっての日本は必要不可欠な子分ではなくなった。だが、この子分は子分であり続けるために、北の脅威を未だ訴える。やれやれ、といったことろか。

しかし、アメリカは日本が自立することを望んでいるのだろうか?
それは、戦後・安保のアメリカの身勝手が「やっぱりな」と世界中に流布されるだけではない。日本は(まったくやって来なかった)原爆投下をはじめとしたアメリカのあの戦争における非人道性を世界中に訴えることが出来る。
韓国や中国への謝罪が未だ受け入れられないのは、それをまったくしないからじゃないのか?
そして、アメリカはそうして欲しくない。経済的に世界盟主の座を滑り落ちようとしている今、日本に反旗をひるがえされたら、徐々に目減りしつつある「人道的な自由の国」という看板を降ろさなくてはならなくなる、と。
しかし、たぶんアメリカは、日本がそれを実行するとは露とも考えていない。

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