車のドアを閉めると,いつものように父は窓から腕を振りながら走り去っていく.その姿を見送っているときから小さな染みのような不安がじわじわと広がっていく.朝,静かすぎるのだ.足下に枯れ葉のたまった校門をくぐる.キャンパスの中央を伸びる通路の両側
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元来,相田みつをや新興宗教が存在しなくても一向に構わないタイプではあるが,実際に子供をもってみると「ヒトは遺伝子の乗り物にすぎない」というドーキンスに「何当たり前のこと言ってんの?」と突っ込みたくなるほどだ.しかし,わからないのがなぜ“利己
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