18970128 NO5041 宮廷録事•任免一束•雑件
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012_0030_0020 駐韓日本公使館記録 12巻 三. 本省往復報告 (2) [宮廷録事•任免一束•雑件]
文書題目 (2) [宮廷録事•任免一束•雑件]
文書番号 報告第二○号,発 第十肉（＊十六、か）号(京城領事),発 第十七号(仁川領事),発 第十八号(釜山領事),発 第十九号(元山領事)
発信日 明治三十年一月二十八日 ( 1897年 01月 28日 )
発信者 加藤 臨時代理公使
受信者 大隈 外務大臣
(2) [宮廷録事•任免一束•雑件]
報告第二○号,発 第十肉（＊「宍」の誤りで「六」か）号(京城領事),発 第十七号(仁川領事),発 第十八号(釜山領事),発 第十九号(元山領事)
宮廷録事
一. 大君主陛下におかせられては、我が皇太后陛下（＊英照皇太后 1897年〈明治30年〉1月11日没）。孝明天皇の女御。明治天皇の嫡母（実母ではない）として皇太后に冊立された。）崩御を御追悼なさり、去る十九日より二十七日まで九日間宮中で喪を施行されるよう去る十八日布達第二十二号をもって仰せ出された。
なお宮廷より本邦駐箚公使の李夏栄（イハヨン）をこの喪儀に参列させるため、特に特派大使として御派遣なさることなり、昨二十七日随員金声遠（＊キムソンウオン）、従者崔錫駿（チェソクチュウン）を従え仁川発の「隅田川丸」で出発した。
また当国宮廷では御供え物として銀の造花を御献上になる予定である。
一. 去る二十三日は大院君の誕辰（＊誕生日）に当るので、同日祕書丞を遣わし慰問されるよう下詔があった。
任免一束
一. 朴・内部大臣（＊朴泳孝）は客臘（カクロウ ＊去年の十二月）以来、金顕��、蔡相夏らの弾劾に遭い、その都度辞表を呈出したのだが許されなかった。ところが孫炳�遒箸いΔ發里�また同氏と徐載弼（ソジェピル）を弾劾したので第三回の辞表を呈出したのだが、ついに去る二十六日をもって御採用となり、同氏を議政府贊政に移し、議政府贊政・南廷哲（ナムジョンチョル）をその後任に命ぜられた。ちなみに記すと、朴氏の辞職は表面上処士（＊在野の士）の弾劾に基づくもののようであるが、実際は金鴻陸（キムホンニュク）と溝渠（＊溝）を生じたことによっている。従来朴氏が現政府において隱然とした勢力を有していたのは、その初め金鴻陸と結托していたためであったが、近来金鴻陸か秘かに地方官を売官しその任命を朴・前内部大臣に迫っていた事が何度も重なり、朴氏がこれを嫌い、自然隔意を生じてついにここに至ったものだとのこと。
南氏は改革前においては判書であったが、昨年七月鏡城（＊キョンソン ＊咸鏡北道に属する郡。李氏朝鮮王朝時代の地方行政の中心地であった）觀察使に任じられたがまだ任ちに移る前に議政府官制の発布に入って参政となり、今日までその職に在ったものである。
一. 掌礼院卿・閔泳駿（ミンヨンジュン）は去る二十五日奎章閣学士に、奎章閣学士・金宗漢（キムジョンハン）は同日掌礼院卿に任ぜられた。
一. 本邦駐箚朝鮮公使館参書官・高義敬は去る二十二日依願免官となった。
雑件
一. 李・宮内権法部協弁は客臘（カクロウ ＊去年の十二月）中より病気で引き籠り今も出勤致さず、李氏はそのために去る二十二日をもって辞表を呈出したのだが懇篤の諭旨を下して御差し止めになった。
一. 当国本年度(建陽二年度)の予算歲入総額は四百十九万一千一百九十二元であり、その主なものは、
地租 一百七十一万五千元、
戸布銭 十九万六千元、
人蔘税 十五万元、
港税 四十九万五千元、
砂金税 四万円、
前年度より戻入れ金 一百十四万七千一百九十二元
である。そしてその歲出総額は四百十九万四百二十七元であり、その主なもの、もしくは本邦に関係を有するものは
王室費 五十万元
軍事費 九十三.万一千三百七十七元
本邦駐箚の公使館費 一万四千六百八十元
(余は米国にしてその費用は二万元)
日本兵弁移接家舍借賃費 四百八十元
日語学校費 二千一百九十六元
仁川日語学校補助費 一千二百元
義和宮留学費 四千元
などである。また歲入の歲出に超過する事七百六十五元である。
一. 金・警務使はこの程自費で一千対の手套を購入し各巡検に分与したとのこと。
一. 駐日露国軍隊派出員補・露国陸軍大尉サモイロフ氏は当地に滞在していたが、去る十八日再び本邦へ向け出発した。
一. 去る二十七年より以前にあっては、毎年十一月中兵士を山村に派遣し銃猟されその獲物を進貢されるのが定例であったが、その後廃止していたのだが、今年また再興したとのこと。
一. 閔・軍部大臣は東学党及び義兵と称するものと戦ひ戦死した官軍兵士の招魂祭を去る十八日に、また一昨年十月事変（＊乙未事変、いわゆる閔妃殺害事件）で戦死した洪啓勲などの招魂祭を去る二十日西門外にある清水館において執行した。
明治三十年一月二十八日
加藤 臨時代理公使
大隈 外務大臣 宛
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