18971225 NO5039 露国人アレクセイエフ聘用およびモスクワ約定書発効についての再考要請の件 転牒
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012_0020_0650 駐韓日本公使館記録 12巻 二. 機密本省来信 (65) [露国人アレクセイエフ聘用およびモスクワ約定書発効についての再考要請の件 転牒]
文書題目 (65) [露国人アレクセイエフ聘用およびモスクワ約定書発効についての再考要請の件 転牒]
文書番号 機密送第一○五号
発信日 明治三十年十二月二十五日 ( 1897年 12月 25日 )
発信者 外務大臣 男爵 西徳二��
受信者 在京城 弁理公使 加藤増雄
(65) [露国人アレクセイエフ聘用およびモスクワ約定書発効についての再考要請の件 転牒]
機密送第一○五号
韓国政府において露国人・アレキセイエフ聘傭に関する契約書の件は、先月九日付機密第七四号をもってその訳文、同月十五日付機密第七七号をもってその本書写をそれぞれ御送付になり接閱致しましたところ、この契約の条項によれば当然韓国の財政をこの露国人の掌中に帰せしむるものであるだけでなく、その末段の諸項などは、まさしく昨二十九年六月九日山県大使が韓国問題に関しモスクワにおいて露国外務大臣と約定調印した議定書の趣旨に一致しないものと認められるので、この条約書に関し本件を露国政府に対しこの問題の再考を求めるよう本月十六日別紙甲号の通り在露林公使へ電訓しましたところ、その後一昨二十三日に至り同公使より別紙乙号の通り回電がありましたのでこれを取り敢えず申し進みます。 敬具
明治三十年十二月二十五日
外務大臣 男爵 西徳二�� 印
在京城 弁理公使 加藤増雄 殿
[別紙]
文書題目 [駐露・林公使が外務大臣に送った同件回答]写
[駐露・林公使が外務大臣に送った同件回答] 写
Petersburg Dec. 22 1897
Rec’ d Dec. 23 1897
Nissi Tokyo
89. In reference to your telegram 99, Russian Minister for Foreign Affairs replied that in our memorandum there are many points which are not mentioned in telegraphic information from Russian Minister to Korea and there he desires to investigate the matter after the receipt of mail information.
Hayashi
〈＊私訳〉
1897年 12月 22日 ペテルブルグ、発信
1897年 12月 23日 東京、受信
東京、 西 大臣
89. 閣下の電文第99号と関連、ロシア外務大臣は、我々の覚書に朝鮮駐在ロシア公使から電送された情報資料に言及されない事項が多いと回答しつつ、郵便による資料を受け付けた後にその問題を検討することを希望した。
林
[別紙 甲]
文書題目 [外務大臣が駐露公使に送った上件電訓] 写
[外務大臣が 駐露公使に送った上件電訓] 写
Hayashi Petersburg
According to report of 在韓公使, agreement recently concluded by Korean Minister for Foreign Affairs and Russian Minister to Korea respecting Russian Financial Advisor virtually □□□□ Financial administration and commands of said Advisor; since prepares financial estimates, receives and disburses all revenue and expenditure; makes commendation regarding loans; general control and direction of financial affairs and Commissioner-General of Customs is appointed on his commen dation and reports him. Moreover said agreement □□□ indefinite duration and practically permanent. In case Advisor takes leave of absence temporary substitute can be appointed with consent with Russian and Korean Governments. In case Advisor to return to Russia he not to leave his post until successor arrives in Korea. Agreement also provides that hereafter suitable Korean □□□□ capable to perform is confided to Advisor, Russian and Korean Governments consult on the subject as result of negotiations (and) relieve Russian Advisor of his duties, but this chance subject to condition that person other than Russian and Korean is to be appointed. Finally no provision is made for termination of the agreement except by mutual consent of Russia and Korea. You shall observe that the agreement especially the latter portions can not be regarded as consist with the purport of 山県 □□□. Consequently you are hereby instructed to represent the matter to Russian Government in form of memorandum and invite careful reconsideration of the question.
Nissi
Dec. 16 1897.
〈＊私訳〉
ペテルブルク、林公使 貴下
韓国駐在公使の報告によると、ロシア人財政顧問に関する朝鮮外部大臣と朝鮮駐在ロシア公使館に最近締結された協定は事実上財務行政と前記顧問の指揮権を □□□□している。
すなわち、財政予算を立案しすべての歳入と歳出を管掌し、借款に関する推薦と財務の全体的な監督及びと指示を行なう。彼の推挙によって海関、総税務司が任命され、彼に報告されることになる。更に前記協定は期間が明確ではなく、事実上恒久的である。財政顧問が休暇を受ける場合、ロシアと朝鮮両国の合意により臨時代理人が任命される事ができる。
財政顧問がロシアへ帰る場合、後任者が朝鮮に到着するまでは彼の地位から離れることはできない。協定が規定する任務の遂行能力がある朝鮮人が財政顧問の信任を受けるようになれば、ロシアと朝鮮両国政府は協商の結果その問題を協議する。そしてロシア人財政顧問をその職責から解任することは、ただこのような機会はロシア人と朝鮮人以内の人物が任命される予定である場合だと言う条件を付けている。
最後に、協定の終結に関する規定はロシアと朝鮮の相互合意の場合を除いては何もない。貴下は協定が特にその後半部が山県の□□□ 趣旨と両立する事として見なされることはできないことを留意する事。したがってここに私案を覚書形式でロシア政府に説明し、その問題に対して慎重に最高するよう促すことを訓令する。
西
1897年 12月 16日
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