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2021年01月14日08:06

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18961130 NO4356 清国・ロシア間特別条約の件

18961130 NO4356 清国・ロシア間特別条約の件
한국사데이터베이스 (history.go.kr)
010_0010_0670 駐韓日本公使館記録 10巻 一. 本省来機密公信 (67) 清国・ロシア間特別条約の件
文書題目 (67) 清国・ロシア間特別条約の件
文書番号 機密送第九五号
発信日 明治二十九年十一月三十日 ( 1896年 11月 30日 )
発信者 外務大臣 伯爵 大隈重信
受信者 在朝鮮 臨時代理公使 加藤増雄

(67) 清国・ロシア間特別条約の件
機密送第九五号
清・ロシア間特別条約の件に関し本月十三日付を以て在北京・内田臨時代理公使より報告がありましたので御参考までにその要旨を次に申し進みます。

 ロシア国公使カシニー伯が北京出発の節何かロシア・清間に秘密条約を結びこれを持ち返ったことはかねて聞き及んでいる所であるが、去る十月二十八日発刊の「北清日報」に別紙切抜きの通り「カシニー・コンウエンシヨン(*カシニー条約)」と題してシベリア鉄道延長、黒龍江・吉林の両省における鉱山開掘、満州兵訓練、膠州湾借用、遼東諸港戦時使用等の件に関する清・ロシア間特別条約というものの全文を掲載がありましたので取り敢えず米仏両公使を訪ねその意見を確かめたところ、米公使は「清・ロシア間になにも秘密条約が成り立ったことはないとは断言しにくいが、『北清日報』所載のようなことはその行文上より推考しても全く新聞紙の捏造に出たものであると確信する」旨を申し述べました。
フランス公使もアメリカ公使同様の話をし「先年自分が清国とある秘密条約を結んでいると言って『上海新聞』紙上にさも事実らしく書き立てたことがあったが、自分は一切これに頓着しなかったが、その後彼等自身においてもその説が虚報であるころを自覚した。今回の『カシニー・コンウエンシヨン(*カシニー条約)』もまさしくこれと同様の運命に遭遇するだろう」と申しておりましたが、その談話中カシニー伯が果して如何なる条約を結んだか否やは、自分は承知していない」と言い、暗に同伯はある条約を結んだことがあると言わんばかりの語気があり、この仏公使はロシア公使と始終互いに結托して運動している人物であるから、もし清・ロシア間にある秘密条約が成り立ってこれを承知している者があるとすれば在北京外交官中この人にほかならないと思われます。
しかしながら外交官以外の人でやや信頼できる者の言葉によれば「『北清日報』所載の条約は一点の疑いもなく全く事実である。その一字一句はその原文である漢文と相符合することを確信する」とのことです。
続いてイギリス、ドイツ両公使を訪ね面談したところ、イギリス公使は「寸時もこの新聞紙所載の条約に信を置くことはできない。ことに第十条に規定する『遼東諸港戦時使用に関する件』などは、清国政府がいかに薄弱愚蒙だと言っても、決して同意するはずはなく、また上海から得た内信によっても諸条約の出どころが甚だ瞹眜で到底信じる事ができるものではない」と発言しています。また「シベリア鉄道の満州横断の一事は最早疑いを容れることができないようだが、近頃遼東地方にロシア人が歩き回っている件はその目的は全く日清戦争の事跡硏究にあるもののようだ」と。
ドイツ公使もイギリス公使同様に「全くこの条約に信を置かない」と申しております、云々。以上御参考までに申し進みます。
明治二十九年十一月三十日
外務大臣 伯爵 大隈重信印
在朝鮮 臨時代理公使 加藤増雄 殿






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