18961125 NO4354 李圭完の動静報告
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010_0010_0650 駐韓日本公使館記録 10巻 一. 本省来機密公信 (65) [李圭完の動静報告]
文書題目 (65) [李圭完の動静報告]
文書番号 機密送第九二号
発信日 明治二十九年十一月二十五日 ( 1896年 11월 25日 )
発信者 外務大臣 伯爵 大隈重信
受信者 在京城 臨時代理公使 加藤増雄
(65) [李圭完の動静報告]
機密送第九二号
朝鮮人李圭完（イギュワン）の動静について別紙の通り大浦・山口県知事より申報がありましたのでこの写しを御送付に及びます。
明治二十九年十一月二十五日
外務大臣 伯爵 大隈重信印
在京城 臨時代理公使 加藤増雄 殿
[別紙]
文書題目 [李圭完の義和宮国王推戴の言葉]
[李圭完의 義和宮 国王推戴의 말]
秘第四四二号
京都市滞在中の朝鮮国人・李圭完（イギュワン）はその情婦・中村むめ (県下阿武郡萩土原村住)の叔父病気の報に接しこれの見舞いのため情婦を携え本月二日京都市出発、同夜神戸港出帆の「鎮西丸」に搭乗し、六日午前十一時萩港に来着。直ちに情婦の宅に至り滞在した。よってその動静を偵察するに、この頃は言気軒�供△垢海屬誣由竿疂阿陵融劼�ある。
「国王がロシア国公使館にいて今なお還宮がない原因は、奸悪な佞吏（ねいり ＊王にへつらう役人）がその間に介立して事々物々壅蔽（ようへい ＊塞ぎ蔽うこと）遮止（しゃし ＊さえぎること）するところがあって、そうさせる事情がないわけではないとはいえ、結局のところ、国王が国利民福を無視し、国家民人を愛撫する意志がないことによらなければありえないことである。今これを極論すれば自ら王位を退き、国家を放棄してロシア国に遁れたと言えることである。また太子と言っても国王と決して区別できるところはなく、到底王位を継承することのできる人ではない。今や国民の大半は君主がいない状況に似ている。是非とも日本にいる義和宮殿下を奉じて国王としたいと熱望しつつある、云々」と語った。そして李圭完はなお一週間位萩に滞在して、京都に帰り、時にあるいは東京を訪れ、韓人同志に相会することになるだろう」と言っていた。以上申報に及びます。
明治二十九年十一月十三日
山口県知事 大浦兼武
外務大臣 伯爵 大隈重信 殿
＊中村むめ（梅子）「李圭完（イギュワン）は日本の山口県山口で養蚕業をしていた中村一の親戚が運営していた精米所でしばらく働いた。この時出会った中村一の娘中村梅子と結婚することになる。中村梅子は中村一がアメリカ合衆国日本大使館の職員にあるとき、米国の女性との間で得た非嫡出子であった。中村一が既に既婚男性であることを知ったアメリカ人女性は娘を中村一に送った。」
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