18960307 NO4045 暴徒による山口県の平民・吉崎祐太��被害の件について第三報
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008_0070_0110 駐韓日本公使館記録 8巻 七. 本邦人被害に関する 件 一•二 (11) 山口県の平民・吉崎祐太��被害の件について第三報
文書題目 (11) 山口県の平民・吉崎祐太��被害の件について第三報
文書番号 公第一二号
発信日 明治二十九年三月七日 ( 1896年 03月 07日 )
発信者 在元山 二等領事 二口美久
受信者 在京城 弁理公使 小村寿太��
(11) 山口県の平民・吉崎祐太��被害の件について第三報
公第一二号
（＊暴徒による）吉崎祐太��被害の報に接し、前信で具報いたしました通りこの遺体、遺物の収拾・送還について、ならびに加害者の処分の件について直ちに当港（＊元山港）知事へ照会し、また本件処理をおざなりにしていることもあろうかと私から巡査を派遣しようとしていたところ、同知事は「この際斬髮・洋装のものが出向きましては、彼等は一層激昂し必ず乱暴を働きますので、巡査・兵隊など派遣の件は是非見合わせていただきたい。すでに咸興（ハムフン ＊元山の北）観察使代理の報告にもこれらの懸念の実情が伺えますので」と固くこれを止めます (私ももともとその懸念がありましたが彼にいい加減に扱わせないために迫ったのであった) ので、「それならば速やかに適当な方法で処理せよ」と申し入れたので、同知事は直ちに咸興府へ公文発送の手続を取り、また一方では被害者の同居人・池田市太��のもとに韓人を派遣して吉崎被害の状況など探索させておきましたところ、昨夜知事が差し向けた使者が元山に帰着し、その申し立てよれば、咸興府観察使代理・睦祐信、同府主事・皮（ピ ＊1985年5440人、1339所帯、274姓中116位）、洪の三人が本月三日(吉崎被害は二月二十六日であったので一週日後の事である)府民に殺害されその首は街頭にさらされていた。府庁は閉鎖しており形勢非常な状況なので空しく立ち戻ったと本日知事が慌てて来訪し語った。いかにも遣り損なった様子に見受けました。
だからと言って今更私から巡査を派遣しようとしても相手側の官吏はみな殺害され、その上閉庁しているので調査する道もなく、また二三人の巡査を派遣しましても反って危険な恐れがある。
また南部各地の暴徒は当地から十里内外隔たったところに来襲、近いところは既に新坪場(元山から約七里 ＊元山と新川の間)まで押し寄せているとの確報があるので、当地の警護が急がれ、この際巡査・兵隊たちにはなかなか咸北方面を顧みる余裕がなく、実になんとも致し難いので、本案処分について別に貴官よりその筋へ照会頂きたく、この件申し進みます。
明治二十九年三月七日
在元山 二等領事 二口美久印
在京城 弁理公使 小村寿太�� 殿
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