時代の流れ

学生時代までは時代が変わっている感じがした。

しかし社会人になってからは、昨日と同じ今日が来て、今日と同じ明日が来て、自分の置かれた状況も、社会の状況も、あまり変わっていない。

「世界は今も昔も変わらないなぁ」そんなことを感じてきた。


年配の人の話を聞くと、彼らが現実だと信じていることが昭和の時代から変わっていないことに驚かされる。

彼らは言う。

「おまえは世間知らずだからそんなことを言う。俺は見てきて知っている。これが現実だ。おまえももっと世の中のことを知れば俺の言うことが正しいと分かる」

「公務員になれば絶対安心だ。会社は絶対に社員を守る。必死で会社にしがみつけ」

「学歴は大事だ。学歴で将来が決まる」

「時代なんて変わっていない。世界は今も昔も変わらない」

この人はタイムマシーンに乗り３０年前の時代からやってきたのか？

それとも冷凍保存で３０年間眠りについていたのだろうか？


でも最近ふと思うのが、タイムマシーンに乗っている、もしくは冷凍保存で眠りについているのは彼らばかりではなく、私自身も同じ過ちに陥っているのではないかということ。

彼らの冷凍保存が３０年間なら、私は２０年間。

このおっさん、なぜ平成時代の常識を今も変わっていないと主張しているんだ？

時代はとっくに変わっているのに、化石みたいなオヤジだな（笑）。


変わり続けるこの世にあって「昔も今も変わらない」と勘違いしていたら、人生の選択を誤る。

「昔も今も世の中の仕組みは変わらないのに、なんか俺、不幸だなぁ」

「きっと悪いヤツらが悪い政治をしているからだ」

昭和のオヤジの憤りを聞いていて思うのは、それは悪いヤツらが悪い政治をしているからではなく、彼らが時代の変化に適応できないため、損な役回りをさせられていること。

他人のことは分かるが、自分のことは分からない。

私も「世の中変わらないなぁ」と感じているが、私の脳内が変わっていないだけで、世の中は大きく変わっているのだろう。

歳をとると、過去の経験と思い込みに縛られ、変化を見ないようになってしまう。

変わり続ける世でそれに適応するには、自分も日々、新しいことに挑戦していかないといけない。