2年ほど前に iPad pro を買ったのだが、最近は使うこともなく、家に放置してあった。
以前、リサイクルショップでみてもらったところ、初期化をするためのパスワードが必要なことと、もしパスワードが分からないとジャンク品として二束三文でしか受け取れないことを言われた。
iPad pro(中古)、Apple pencilやカバーなど一式合わせて、確か8万円ぐらいで購入したのだが、初期化できたとして引き取り価格は1万円程度だった。
どうやって初期化すればいいのか分からないし、メルカリ(ネット・フリーマーケット)に出品するのもメンドクサイものである。
人は新しいことはどうも億劫になってしまう。
リサイクルショップにひきとってもらおうかなと考えていたのだが、たまたま今日は雨ふり、しかも1日空いていて何もすることがない。
そこでインターネットでiPadの初期化の方法を調べ、初期化をし、写真を撮り紹介文を書きメルカリに出品してみた。
他の同等品が4万円台で売られていたので、Apple pencil を合わせ、5万8千円で売りに出した。
メンドクサイと思っていたが、やってみると案外できてしまうものであり、すべて合わせて作業時間は1時間もかからなかった。
出品して数分後「5万4千円なら買いたい」とコメントが来たので、5万4千円に値下げして売却することができた。
いろいろなサイトで確認してみたが、私が出品したiPad pro の第一世代は、どこでもおおよそ4万円台で売られている。
私の値段設定がそれほど安かったわけではない。
メルカリにも何点が出品されていたが、いくら中古品といってもネットで取り引きする商品としては高額の部類なので、なかなか買い手がつかない。
私の場合、たまたま iPad proとApple Pencilの組み合わせを探している人がいたのだろう。
おかげで5万円近い臨時収入が手に入った。
メルカリの高額商品販売を見て思うのは、売る側は少しでも利益を出そうとして、コメント欄に値下げの要望が来ても、一切、値下げに応じていないことだ。
人間が商品の購入を決めるのは理性より感情。
相手の感情が高ぶった時、そっと相手の希望に沿えば、相手は購入を決める。
当初の値段で購入した時より、相手の満足度は高くなる。
その値下げした金額でも、他の出品に比べそれほど安いわけでなかったとしても。
ベストセラーの本とは違い、iPad pro は欲しい人が限定される。
いくらメリカリであっても、欲しがる人は多くない。
一度チャンスを逃せば、なかなかチャンスは巡ってこないものである。
売れない商品を「いつか買い手がつくだろう」と延々と出品しているのは、精神的に疲れるもの。
商品は在庫管理もしなければならない。
それで、結局、リサイクルショップへ持ち込み二束三文で販売することとなる。
商品は相場では何万円といっても、その値段で買ってくれる人が現れて、初めてその価値を持つ。
値下げした4,000円で相手の心をつかみ、その10倍の利益を得る。
商売は人間の心理戦なんだと思う。
中古品を出品して売るのはメンドクサイ。
でもそのメンドクサイことをする1時間が、時給4万円(リサイクルショップで売った時との差額)にもなることがある。
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