今日は一日休みをもらい家でゆっくりしている。
昨日、お笑い芸人の西野亮廣さんの近畿大学卒業式におけるスピーチの動画を観た。
西野さんは、これから社会に出ていく学生たちに「人は努力でなんだってなれる。だから夢を持て」みたいなことを言っていた。
入学式で言うならまだしも、卒業式でこのスピーチは完全に間違いである。
大半の学生は就職先が決まっており、あとはその会社で歯車の一つとして決められた人生を生きていくにすぎない。
では入学式でスピーチすればいいのか?
それも間違っている。
人は生まれた時から脳の性質があり、その脳の性質によってその人が幸福に生きられる道は限られてしまう。
若者に伝えるのは「夢」ではなく「己を知ること」。
あなたの惰弱性はいくら努力しても解消しない。それは一生つきまとう。
この冷酷な現実を告げ、
そんな自分で有利に生きていける場所はどこなのかを若者に考えさせる。
しかし学生の頭には「人は努力でなんだってなれる」論しかなく、誰もがナポレオンを目指さなければバカにされてしまう。
本来、大人が言わなければいけないことを大人が言わず、人気取りのため思ってもいないウソをつく。
これがどれだけ多くの若者を路頭に迷わせたことか?
ある人が西野さんの卒業式スピーチの動画を観てこんなことを言っていた。
西野さんのスピーチを観て「感動した」とか「西野を目指す」とか言っている人に、成功しそうな人がいない。
私も同感である。
ウソに感化され、自分はミミズに生まれたのにヘビだと勘違いするのは、わが身を滅ぼすことでしかない。
西野さんが成功したのは才能のおかげであり、もし西野さんと同じだけの才能がある人がいたら、西野さんの動画を観た時こんな風に考える。
卒業式で話す内容なんてスチーブ・ジョブスにしても西野亮廣にしても、決められたテーマがある。それは学生に夢を持たせること。彼らは報酬の対価としてその役割をはたしているにすぎない。
西野さんはお笑い芸人だけあり話がうまい。
15分もの長いスピーチにもかかわらず聞く人を飽きさせない。
ただ、これはエンターテイメントであり、人生の教訓を語ったものではない。
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