霧子
わたしは、お客様にお酒と夢を与えるお仕事を
長年やってまいりました
まっ、ベテランと申しましょうか
最近、思う事があります
年を取るのも悪くはないな┅
若かった頃とは全然違った感性で
同じ事象を受け止められるのです
鈍くなった?
はいはい…確かに
こまかい事がどうでもよくなった?
それもそうかも
今じゃ
俺の介護を任せたい
全財産は君にやる
遺言書を公正証書にするから
などと口説かれております(笑)
いつからこんな口説き文句に
変わってしまったのやら┅
まぁ良いか
語らずともわかる
いつの日からか、求められるものが違ってきているということ
それでも 必要としてくれる人、そんなふりをしてくれる人がいるってことが、ちょっと嬉しい
困ったら頼って来て欲しい
何らかの手助けにはなろうと思っているから
五臓六腑に染み入る酒と共に
そんな言葉を流し込む夜
ホンモノであろうとなかろうと
ほんの一滴
グラスに落として下さいな
若さや輝きを失ったぶんだけ
心は肥えたから
きっと…
多分…
おそらく…
敏感に気付ける事…も…あろうかと…
ログインしてコメントを確認・投稿する