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2021年08月16日15:01

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リバプールの柳の下には

私の場合、ロックを聴くきっかけがビートルズだったこともあってか、今でも月に一度はビートルズを聴きたくなったり、聴くことがある。その時は三夜通しのほぼ時系列順となるが、今月の月初め、ラッキーにも四連休という日があって、三夜連続のビートルズとなった。以前の日記で大晦日はその日が休みか夜勤明けで元日も休みならばという条件が揃えば「朝までビートルズ」をやると書いたが、同じセトリの三夜分割ヴァージョンだ。
セトリは機会があれば述べさせていただくが、今月は一昨日から三連休(今月は8月に加えて予防接種の関係で三連続以上の休みが多い)。ビートルズの次に何聴こうかになって、こういう場合は、(私が勝手にそう思っている)ビートルズのライバルたちということで、一夜目はストーンズとザ・フー、二夜目はキンクス、ヤードバーズ、クリームとなるのが多いのだが(実際に正月の休みが上手くいくと、二日の夜と三日の夜はそうなる。=現実は滅多にない)、今回はビートルズ三夜通しの後、たまにやるリバプールの二匹目ドジョウバンド大会を久しぶりにやることにした。

ビートルズがデビューし、洛陽の紙価ならぬレコードが売れ出すと、各レコード会社やプロモーターのスカウトたちは一斉にリバプールに行きだした。
こうして彼らの目に止まったのがリバプールの二匹目ドジョウバンドたちだ。
幸いにもメジャーデビューを果たしたバンドもあるが、中にはシングル一枚で消えたバンドやドサ回りさせられて消えてしまったバンド、音源すらも残っていないバンドもあると聴いたことがある。
実際聴いてみると、中には才能ありそうな、上手くいけば大化けしそうなバンドもあるにはあったが、ビートルズは地雷を踏みすぎてしまった。その結果、逆にイギリス各地からストーンズ、ザ・フー、キンクス、ヤードバーズ、クリームといった才能あるバンドたちが名乗りを上げ、さらには(私が思うに)B級どころでも、アニマルズ、デイブ・クラーク・ファイブ、ホリーズ、マンフレッドマン、スペンサー・デービス・グループ、トロッグス、ゾンビーズといった面々が出て来るし、それはアメリカにも飛び火し、ビーチボーイズやバーズ、ボブ・ディランやサイモンとガーファンクルといった才能あるミュージシャンを輩出、さらには海を越えてジミ・ヘンドリックスがやって来ることにもなった。

そうなると彼らはひとたまりもない。華やかな表舞台もわずか2年、長くても3年で、契約を切られたり解散したりとなってしまった。
久々に彼らの演奏や歌を聴いたのだが、売れていた前半はともかくとして後半になると耳がダレて来て、お腹いっぱい。早く終わらねえかが本音だった。
ビートルズと彼らの違いは何だったのか?
初期作品はもう60年近く前にもなろうとしているのに、ビートルズは今も古さや懐かしさを感じさせず、バンドは解散しているのに今も存在しているような錯覚を持たせるのだが、彼らを聴いて感じるのは古さであり懐かしさだ。
今回聴いてみて、前々からわかりきっていることだが、ビートルズはジョン・レノンとポール・マッカートニーが稀代の天才ということが何よりも大きいのだが、前々から薄々感じてはいたものの、あらためて思い知ったのがジョージ・ハリスンとリンゴ・スターも稀代の天才に見あうだけの応分の才能を持っていたということも大きい。いくらジョン・レノンとポール・マッカートニーが稀代の天才でも後の二人が、ジョージ・ハリスンでもリンゴ・スターでもない、バカなギタリストやドラマーだったら、どんな名曲だって名曲にならない、バンドとはそう言うものだを実感する。彼らはビートルズと同じカバー曲を何曲か演奏し歌っているが、そのクオリティがまるで違う。ここでジョージ・ハリスンとリンゴ・スターの存在が光る。ギターもドラムもまるで「違う」のだ。
日本人の大物音楽家でビートルズの才能に初めて注目した人は黛敏郎氏と言われている。氏によるとコードの展開が尋常でないと言うことだ。聴いて楽しければそれでいいという私にはまるでわからないことだ。だが最近、デビューから A Hard Day's Night あたりを聴くと氏の言わんとしていたことが何となくわかるようになって来た。ここまでの三枚のアルバムは一枚一枚手を替え品を替えて作っている。それは大変革期になった Help! 〜 Rubber Soul 〜 Revolver(逆読みすると「愛人回し」になる)で如実に表れている。この時、彼らの殆どは姿を消すか、消えずとも旧態依然の楽曲で取り残されていった。

彼らは結局、才能のない二匹目ドジョウバンドに過ぎなかった。才能のないバンドなんて、昔のお猿さんやタータンさん、シャローナさんなんて今もバカ扱いだが(その方面でランナウェイズってか、ジョーン・ジェットには謝りたい)、彼らの場合、逆にその才能の無さに愛おしさを感じることもある。もしも聴くきっかけがビートルズでなければ、彼らを耳にすることはなかっただろうと私は思う。

セトリ一夜目
Gerry and the Pacemakers
Billy J. Kramer and the Dakotas
Herman's Hermits
The Liverbirds
セトリ二夜目
The Fourmost
The Searchers
Freddie and the Dreamers
The Swinging Blue Jeans
The Big 3










他には手元に音源がないが、The Escorts というバンドもあった。アルバム1枚で消えたらしく、それも今は入手不可能なシロモノでである。

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